歴史の夜咄 / 司馬 遼太郎、 林屋 辰三郎 (2)
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読書
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歴史の夜咄 (小学館ライブラリー)
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★★★★☆(おもしろすぎ)
司馬遼太郎 さんと日本文化史の碩学 林屋辰三郎 さんとの対談集ですが、以前書いた記事「歴史の夜咄 / 司馬 遼太郎、 林屋 辰三郎 」で書き忘れたことがありました。
前回は最初の古代編のみの感想でしたが、それ以外の感嘆した点を挙げておきます。
足利義政は日本文化の父
東山時代になって支配階級の文化が民衆に広まったと書いてあります。
足利義政を支えた土豪(土倉)たちを介して京の商人に東山文化が広まったわけ。
政治的には無能だったが日本文化の父となったんですね。
大名は地主ではない
大名は地主ではなく、徴税権を持っていただけ。
個々の土地には大名ではない ○村X兵衛 とかいう地主がちゃんといたのです。
大名は土地の所有権は持っていなかった・・・徴税権の代わり警護の義務はあった(その意味で暴○団と同じ)。
江戸末期になり外国からの侵略にも備えなければならなくなり警護の義務が過大となり、明治維新で大名が喜んで県令(県知事)になったのももともと土地を持っていなかったから。
部下の侍たちには申し訳なかったでしょうが、大名家は内心喜んで消えていったとは!
滋賀の一の宮 建部神社
各県には一の宮というものがありまして、奈良時代の律令制で定められたものが多いです。
> 日本全国諸国一之宮(一宮、一ノ宮、一の宮)一覧表(リスト)
滋賀(近江国)の一の宮は 建部神社でして、祭神は 日本武尊 です。
父の景行天皇時代に近江に朝廷があったという伝説があり(知らなかった!)、息子の 日本武尊 の有名な諸国遠征は近江から始まったということで、この神社があるそうです。
大和にいたはずの崇神天皇の派遣した四道将軍も近江から出立しており、大和と近江に別々に朝廷、すなわち「南北朝」があったのでは、という説を林家さんは提唱しています。
サラリーマン発祥の地 吉備
部(べ)というのは当時としては進んだ職業集団で、朝鮮から渡ってきた渡来人が伝えました。
部民は報酬をもらって成果物を物納していたわけです。
渡来人が各地の開墾、開発に駆り出されたとき、農業にもこのシステムを導入し、鉄の鍬などを昼間のみ貸し与えて地元の農民を働かせて報酬を払っていたようです。
現代で言うと農業株式会社で働くサラリーマン(小作農や農奴ではなく)みたいな存在がすでにあったわけで、現代より進んでいたような?
その関係で戸籍を作ったのも吉備が最初ということです。・・・ひょっとしてマイナンバー制もあったかも?当時は同じ名前が多かっただろうから・・・
*
などなど、示唆に富んだ記述がいっぱいです。
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