*

日本経済の復活術 アップルVSサムスンから読み解く日本企業の戦略 / 渡邉哲也

公開日: : 読書

日本経済の復活術 アップルVSサムスンから読み解く日本企業の戦略 (オークラNEXT新書) 日本経済の復活術 アップルVSサムスンから読み解く日本企業の戦略 (オークラNEXT新書)
渡邉哲也
オークラ出版 2012-12-24
売り上げランキング : 478842
Amazonで詳しく見る by G-Tools

★★★★☆

渡邉哲也さんの本。2012年とやや古いが、内容は現在進行形なので古すぎるということはありません。

先進国対新興国の構造的な対立

この本はアップル対サムスンの特許訴訟の解説から始まりますが、そもそもこれは先進国対新興国の構造的な対立が基になっており、韓国に特有の問題ではありません。

サムスンが得意のパクった技術で新製品を短期間で売り切り、訴訟が完了する前に売り切ってしまうというビジネスモデルを「焼畑工業モデル」と筆者は呼んでいます。

先進国はコピー品の取引を規制する新しい枠組み協定「ACTA」(これは日本発祥らしい)を各国と締結することでコピー品の締め出しを始めており、加盟国以外には売れない仕組みを広めつつあります。

これに韓国が加盟している(米韓FTA のからみ)のが面白いところ。

日本の進むべき道

この本の後半は日本はどうするべきかという議論。

ノブレス・オブリージュ」は支配民に革命を起こさせないよう懐柔する目的で始まった行為または思想ですが、日本人はこれを善意からと誤解している、要するに国際支援を慈善と勘違いしていると主張。

気前よく技術を教えてやり、それによって中韓に苦しめられている日本は世界(特亜除く)から見てバカの極み。

で、かつての護送船団方式を復活させよという主張になります。

国と民間と学者が一体となって国内の製品や技術を他国に高く売る努力が必要で、これはどこの国でもやっています。日本はアメリカの外圧で封じられてきていますが。

日本のためには過当な国内競争を抑え、国外との競争は国がある程度支援し、巨大な流通業者(イオンなど)は有害なので抑圧するというのが必要だと述べています。

これらは自国民の雇用を守るためには非常に重要なのです。

韓国を助けるくらいなら、その同じ額で小さな親日国を複数助けるほうがラクで実入りが大きいというのもうなずけます。

経済というものは、正解のない巨大な社会実験である

「経済というものは、正解のない巨大な社会実験である」と書いてありますが、要するに経済はそのときの情勢(主に国際情勢)によって変わってくる、と。

経済学というのはそれを後から分析して仮説を立てているだけ、ということです。

だからノーベル経済学賞を見ると、相反する説が入れ代わり立ち代わり受賞しているのですね。門外漢から見ると矛盾だらけ。

要は 理系的な学問というより単なる解説に近い

共産主義社会(統制経済)という実験がソ連で大失敗し、グローバリズムという実験も EU や韓国で大失敗したので、また実体経済に戻る というのが著者の主張です。

実体経済に強いのが我が日本ですから、新たなジャパン・アズ・ナンバーワンを目指すべきでしょう。

###

関連記事

金持ちになる男、貧乏になる男 / スティーブ・シーボルド(2)

★★★★☆ 以前にもここに書いた本。 スティーブ・シーボルドのことは他の本で知りまし

記事を読む

ちょっとした工夫で、人生は変わる。―仕事も恋も運がいい人の成功習慣58 / 中谷彰宏

ちょっとした工夫で、人生は変わる。―仕事も恋も運がいい人の成功習慣58 中谷 彰

記事を読む

「震災大不況」にダマされるな! 危機を煽る「経済のウソ」が日本を潰す / 三橋貴明 (1)

「震災大不況」にダマされるな! 危機を煽る「経済のウソ」が日本を潰す 三橋貴明

記事を読む

税金の抜け穴 国民のほとんどが知らない納税で「得する話」「損する話」 (角川oneテーマ21) / 大村大次郎

税金の抜け穴 国民のほとんどが知らない納税で「得する話」「損する話」 (角川oneテ

記事を読む

人工知能は人間を超えるのか / 松尾豊

★★★☆☆ 2015年の本なので少し古いですが、歴史と基礎が学べます。 現在の世界は

記事を読む

緑の猫 手塚治虫名作集 (19) / 手塚治虫

緑の猫 手塚治虫名作集 (19) (手塚治虫名作集) (集英社文庫) 手塚

記事を読む

儲け脳”のつくり方 / 高木 雅邦

“儲け脳”のつくり方 高木 雅邦 エイチアンドアイ 2005-09 売り上げラ

記事を読む

ウルトラマン研究序説

ウルトラマン研究序説―若手学者25人がまじめ分析 科学特捜隊の組織・技術戦略を検

記事を読む

インターネットビジネスやり直し

* ペリー・マーシャルの「世界一読まれているグーグルアドワーズの本」をまた読んでいますが、結構

記事を読む

くらたまのどっちが委員会!?―世の中の小問題を考える毒舌バトル / 倉田 真由美

くらたまのどっちが委員会!?―世の中の小問題を考える毒舌バトル (講談社プラスア

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

グランドエクシブ鳥羽

先週の土日に鳥羽にあるグランドエクシブ鳥羽に家族全員で泊まりに行ってき

王位継承戦争

前日の書「血脈の世界史」でヨーロッパによくありがちなのが、継承戦争。

血脈の世界史 / 児嶋由枝(2)

★★★☆☆ 以前も紹介した本ですが、また読み返してみました。

私の高配当株投資法の変遷について

最近、超高配当の投資信託を利用しだしてから、想定内のことと想定外のこと

Gemini Spark 使ってみた

Gemini Spark が使えるようになって、しばらく無視していまし

→もっと見る

  • アクセスカウンター
PAGE TOP ↑