経済で読み解く日本史3 江戸時代 / 上念司 (2)
公開日:
:
読書
飛鳥新社 (2019-05-24)
売り上げランキング: 13,589
★★★☆☆
「経済で読み解く日本史3 江戸時代 / 上念司」の続きです。
前回の管理通貨制度についての補足です。
幕府は家光の時代で溜め込んだ金銀を使い果たしそうになり、あとは非常に苦しい台所だったわけですが、5大将軍綱吉が登用した萩原重秀という人が貨幣を改鋳して「貨幣の品位を落とす」ことで、大幅に貨幣の発行数を増やすことに成功します。
古い大判を溶かして銀を混ぜ、新たな大判小判を作ったわけですね。
これにより幕府はなんと 500万両というシニョレッジ(貨幣発行益)を得たのです。
金本位制などという、後の世界で各国を苦しめた制度を日本はすでに江戸時代の初期に解決する方法を実行していたのです。
これで世の中のデフレも退治できてめでたしめでたし。
ところがこの改鋳を「悪貨を蔓延させた」というバカな評価を下した人間が当時も今も(日本史の現行教科書を見よ)いるのですね。
萩原重秀は瓦のかけらに印を押してそれを通貨にしたいと考えたほどです。
今の日本もどんどんお札を刷って市場に供給すれば景気が良くなるはずです。なにせ江戸時代から実証されているのですから。
###
関連記事
-
独学大全 / 読書猿
★★★☆☆ 752ページからなる大書。厚さが 5cmもあり、持ちにくいです。 副題は
-
ラックスマン製デジタルアンプLXA-OT3 / Stereo
stereo (ステレオ) 2014年 1月号 音楽之友社 2013-12-1
-
デジカメ写真は撮ったまま使うな! / 鐸木 能光
デジカメ写真は撮ったまま使うな!―ガバッと撮ってサクッと直す (岩波アクティブ新
-
図説 地図とあらすじでわかる!古事記と日本書紀 / 坂本 勝
★★★☆☆ 古事記と日本書紀の違いについての本はこれまでいくつか読みましたが、この本が
-
笑えるクラシック―不真面目な名曲案内 (幻冬舎新書) / 樋口裕一
笑えるクラシック―不真面目な名曲案内 (幻冬舎新書) 樋口 裕一 幻冬舎 200
-
バカでも稼げる 「米国株」高配当投資 / バフェット太郎
★★★☆☆ 自称「1番アンチの多い」投資家のバフェット太郎さんのアメリカの高配当株投資
-
日本進化論 / 落合陽一(2)
★★★☆☆ 以前、「日本進化論 / 落合陽一」で取り上げた本ですが、「高齢者社会では経済成
-
日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫) / 竹村公太郎
日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫) 竹村 公太郎 PHP研究所 201
-
マンガ闇金融道 / 夏原武(原作)
マンガ 闇金融道 (宝島SUGOI文庫 A な 1-5) 夏原武 原作 宝島
-
実録! 巨大モンスター衝撃ファイル
実録! 巨大モンスター衝撃ファイル クリエイティブスイート 宝島社 2009-
- PREV
- MJ無線と実験 2019年 9月号
- NEXT
- 経済で読み解く日本史4 明治時代 / 上念司