経済で読み解く日本史3 江戸時代 / 上念司
公開日:
:
読書
飛鳥新社 (2019-05-24)
売り上げランキング: 13,589
★★★☆☆
全5巻の『経済で読み解く日本史』シリーズの第3巻。
江戸時代を理解する3つのキーワードがあるそうです。
- 徳川家は 400万石しかないのに日本全体(3000万石)を治めなくてはいけなかった
- 管理通貨制度の存在
- 百姓は農民のみにあらず
徳川家の収入不足
徳川家は 400万石しかないのに、東北の飢饉、江戸の大火、木曽川の氾濫などの救済をしなくてはいけなかったのです。
ですから家光以降は慢性的な収入不足だったようです。
所得税、消費税などはなかった(農民以外からは年貢や税を取らなかった)ですからね。
管理通貨制度
管理通貨制度とは通貨に含まれる金や銀の量にかかわらず、政府が決めた価値があるとして流通させることができたことです。
教科書では貨幣の改鋳として非難されているのですが、これは当時のデフレ基調を脱するための妙手だったのです。
問題は為政者(将軍を操る老中たち)が交代するたびに経済政策が 180度変わってしまうことがよくあったことです。
百姓は農民だけではない
江戸時代の百姓の半分は非農民だったという資料があり、教科書の記述(百姓はほとんど農民)は間違いだそうです。
百姓の半分は商人、職人などで、彼らは年貢を免除されていたので、彼らの中から大店などを構えて大名などに資金を貸すものも現れたのです。
*
まあ、これら以外もいっぱいウンチクが詰まっており、この本を読むだけで、学生のときに「山川の日本史」という間違いだらけの日本史を教え込まれた人たちよりも江戸時代を理解できます。
日本史を勉強しなかった人にも当然勝てますので、非常にコストパフォーマンスのいい本だと思います。
###
関連記事
-
-
理系思考 / 元村有希子
理系思考 元村 有希子 毎日新聞社 2007-10-27 売り上げランキン
-
-
チームハックス / 大橋悦夫 佐々木正悟
チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術 大橋 悦夫 佐々木 正悟
-
-
愚韓新論 / 三橋貴明
愚韓新論 三橋貴明 飛鳥新社 2014-02-22 売り上げランキング : 11
-
-
ロバート キヨサキの『金持ち父さん 貧乏父さん』 (2)
* ⇒ http://yiwasaki.com/wp/?p=7001 土曜日にたいちん先生と
-
-
質問する力 / 大前 研一
質問する力 (文春文庫) 大前 研一 文藝春秋 2005-03-10 売り上げ
-
-
最強のFX 1分足スキャルピング / ぶせな
最強のFX 1分足スキャルピング posted with amazlet at
-
-
クラシックBOOK―この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる! (王様文庫) / 飯尾洋一
クラシックBOOK―この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる! (王様文庫) 飯尾
-
-
日本のリストラは悪いリストラ
稼ぐ力: 「仕事がなくなる」時代の新しい働き方 大前 研一 小学館 2013-
-
-
しびれるサービス―顧客満足の具体例60 / 中谷 彰宏
しびれるサービス―顧客満足の具体例60 しびれるサービス―顧客満足の具体例60
- PREV
- 新聞はウソつきであることを小学生のときに知った件
- NEXT
- MJ無線と実験 2019年 9月号