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逆説の日本史16 江戸名君編(2)

公開日: : 最終更新日:2014/03/28 読書

逆説の日本史16 江戸名君編 (小学館文庫) 逆説の日本史16 江戸名君編 (小学館文庫)
井沢 元彦

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前の 逆説の日本史16 江戸名君編 で書きましたが、後半部分です。

後半は江戸時代(上方、江戸)の文化について。

俳諧・歌舞伎・落語といった江戸文化は最初上方で花開き、それが江戸にも伝授され、江戸で独自の(と言うほどの差異はないとも思いますが)文化を作りました。

この文化のおかげで、日本人の識字率の高さがさらに高められます。

日本人の文盲の少なさの理由を寺子屋に求める人が多いですが、井沢氏はもっと古い時代から大きな変革があったのだとします。

それは平家物語太平記。源氏物語ではありません。

文字を知らない大衆にどうやって文字を教えるのかは大きなテーマです。

文字と発音、意味とは本来なんの関係もないものだからです。

それにはまず、音曲化して口語文(ひらかな)を耳に染み込ませ、こんどはそれを字(漢字)にあてはめるというステップを踏む必要があります。

まず大量の「意味のわからない音のつながり」を蓄積させ、それを文字化させることによって肉付けをする。

そのためのテキストとして「平家物語」は実に適していた。

日本以外にはこのようなものはなかった。だから世界に先んじることができた。

源氏物語は「書き物」なので「目で見る」しかない。つまり、字を知らないと理解できないのです。

平家物語は字を知らない大衆でも理解ができるという点で、源氏と平家はまさに正反対なんです。

印刷技術もない時代に庶民に広めるには多数の琵琶法師(西洋の吟遊詩人、昭和の紙芝居屋さんのようなもの)という「生きたテキスト」が利用されたのです。

琵琶法師は盲目ですから、書を使って教えられない。

かえってそれがよかったわけです。

文字だけではおもしろくないので、音楽をつけた。

音のついた文章というというと、歌の歌詞のようなもの。

最近イタリア語の歌を耳コピで歌っていますが、それから歌詞を見れば、ああこういう発音でこういう意味だったのか、とよくわかります。

こういう素地が平安時代から庶民階級にもあった。

あとは「平家物語の××というのはこういう字をあてて、こういう意味だよ」と教えればいいわけです。

「ああ、あれってこのこと」という発見はひどく楽しいものです。学習意欲がわきます。

こういう素地がないと、「この字はこう読んでこういう意味に使われる」と、全く知らないことを丸暗記しないといけなくなります。おもしろくないでしょ。英語ができない生徒によくあるパターンです。

私は小学校の頃にビートルズの洗礼を受けたので、中学校の英語の授業はむちゃくちゃおもしろかったです。

昔の人は、漢文もそうやって耳から覚えさせられて、後から字に落とし込むという方法をとっていました。

そういう意味ではあの英語教材「スピードラーニング」も理にかなったやり方かもしれませんね。聴くだけでは半分で、後から字に落とし込まないといけませんが。

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