逆説の日本史16 江戸名君編 / 井沢 元彦
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このシリーズは第一巻から読んでいます。単行本は高いので文庫化されたものが出ればすぐに買っています。
今回は江戸名君編。
水戸黄門、保科正之、上杉鷹山、池田光政を取り上げています。
水戸光圀が「大日本史」を創作したのは林羅山(こいつはしょうがないアホ)の天皇中国人説に反発したから。
水戸学の創設が幕末の尊皇運動を作り上げた。つまり、幕府を倒したので幕府にとっては名君でないかもしれませんが、民にとっては名君でしょう。
保科正之が兄の徳川家光(こいつもアホ殿)にいかに尽くしたか。賢弟とはいいものですが、報われませんね。
吉良上野介(この人は実は善人)の玄孫である上杉鷹山は実は血の粛清を行って、上杉藩の改革を推し進めました。最初は抵抗勢力(最たるものは先代のアホ殿)が多いですモンね。
熊沢蕃山を採用し善政を行った岡山藩主の池田光政(姫路城を造った池田輝政の孫)はわたしはノーマークでした。じつにスゴイ人がいたものだ。組織のトップは自分ができなければできる人を連れてくるというのが大事と言われますが、あのガチガチの時代に他領から蕃山を抜擢したのはすごいことです。
蕃山が閑谷学校(しずたにがっこう)を作って武士のみならず農民、はては他領の農民まで自由に入学させたというのは浅学にして知りませんでした。庶民に門戸を開いた学校としては世界初とか。
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朱子学の解説のところで、「太平記は第22巻が欠落しており、その前後でがらっと内容が変わっているのは、作者と違う人物が最終章を抹殺して続きを書き加えたから」、という指摘はなるほどと思いました。
前半をまとめるとこんな感じ。後半はまったく題材が変わっていますが、それもおもしろい。別の記事で書きます。
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