逆説の日本史16 江戸名君編 / 井沢 元彦
![]() |
逆説の日本史16 江戸名君編 (小学館文庫) 井沢 元彦 小学館 2013-06-06 売り上げランキング : 1478 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
*
このシリーズは第一巻から読んでいます。単行本は高いので文庫化されたものが出ればすぐに買っています。
今回は江戸名君編。
水戸黄門、保科正之、上杉鷹山、池田光政を取り上げています。
水戸光圀が「大日本史」を創作したのは林羅山(こいつはしょうがないアホ)の天皇中国人説に反発したから。
水戸学の創設が幕末の尊皇運動を作り上げた。つまり、幕府を倒したので幕府にとっては名君でないかもしれませんが、民にとっては名君でしょう。
保科正之が兄の徳川家光(こいつもアホ殿)にいかに尽くしたか。賢弟とはいいものですが、報われませんね。
吉良上野介(この人は実は善人)の玄孫である上杉鷹山は実は血の粛清を行って、上杉藩の改革を推し進めました。最初は抵抗勢力(最たるものは先代のアホ殿)が多いですモンね。
熊沢蕃山を採用し善政を行った岡山藩主の池田光政(姫路城を造った池田輝政の孫)はわたしはノーマークでした。じつにスゴイ人がいたものだ。組織のトップは自分ができなければできる人を連れてくるというのが大事と言われますが、あのガチガチの時代に他領から蕃山を抜擢したのはすごいことです。
蕃山が閑谷学校(しずたにがっこう)を作って武士のみならず農民、はては他領の農民まで自由に入学させたというのは浅学にして知りませんでした。庶民に門戸を開いた学校としては世界初とか。
*
朱子学の解説のところで、「太平記は第22巻が欠落しており、その前後でがらっと内容が変わっているのは、作者と違う人物が最終章を抹殺して続きを書き加えたから」、という指摘はなるほどと思いました。
前半をまとめるとこんな感じ。後半はまったく題材が変わっていますが、それもおもしろい。別の記事で書きます。
*
【関連記事】
- 逆説の日本史 14 近世爛熟編
- 「逆説の日本史8 中世混沌編」
- 「逆説の日本史5 中世動乱編」
- 読書「逆説の日本史11 戦国乱世編」
- 読書「逆説の日本史11 戦国乱世編」
- 逆説の日本史16 江戸名君編(2)
###
関連記事
-
-
ストレスゼロを実現する! 最強の文具活用術 (PHPビジネス新書) / オダギリ展子
ストレスゼロを実現する! 最強の文具活用術 (PHPビジネス新書) オダギリ展子
-
-
バビロンの大富豪 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか / ジョージ・S・クレイソン(5)
★★★☆☆ 「バビロンの大富豪 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか / ジョージ・S・
-
-
あらすじで読む日本の名著3 / 小川義男
★★★☆☆ 小川義男さんという高校の校長先生の書いた『あらすじで読む名著』シリーズ第3
-
-
だから速読できへんねん! ~脳のブレーキを解き放て~ / 呉 真由美
だから速読できへんねん! ~脳のブレーキを解き放て~ 呉 真由美 生産性出版
-
-
覇者の戦術_戦場の天才たち / 中里融司
覇者の戦術_戦場の天才たち (新紀元文庫) 中里 融司 新紀元社 2013-11
-
-
超管理職 / 中谷 彰宏
超管理職 超管理職―「師匠」と呼ばれる上司の法則集 (PHP文庫) 中谷 彰宏
-
-
私は株で200万ドル儲けた / ニコラス・ダーバス
私は株で200万ドル儲けた (PanRolling Library 16) ニコ
-
-
京都人だけが知っている / 入江 敦彦
京都人だけが知っている (宝島SUGOI文庫 D い 1-1) 入江 敦彦
-
-
年間3万円で成功したスーパーインターネット通販―ほったらかしでも儲かった / 岩上誠
年間3万円で成功したスーパーインターネット通販―ほったらかしでも儲かった!
- PREV
- Akismet でスパム退治(WordPress)
- NEXT
- 逆説の日本史16 江戸名君編(2)
Comment
[…] 前の 逆説の日本史16 江戸名君編 で書きましたが、後半部分です。 […]