日本オリジナルへの旅―伝統技芸の現場を訪ねて / 呉 善花
公開日:
:
読書
![]() |
日本オリジナルへの旅―伝統技芸の現場を訪ねて
呉 善花 日本教文社 2005-01 売り上げランキング : 277950 by G-Tools |
★★★★☆
韓国 済州島出身の 呉 善花(オ・ソンファ)さんの日本文化論は非常に面白いのです。
今回は日本の伝統技芸を取材して、独自の観点から日本人には盲点となっている部分を鋭く指摘されています。
日本建築は柱が基本
日本の建築の一番のポイントは柱があるということらしいです。
韓国を含め世界の多くの国は柱は必ずしも必要とせずに建築します。つまり、構造壁を組み合わせて作るのです。2×4工法というわけでしょうか。
日本の場合は地震があるので、心柱でつり下げるのが耐震対策上効果的であったということでしょう。
モンゴルのゲル(パオ)ってどうなん? という私の疑問はさて置いておきますが・・・
日本文化のルーツは縄文時代
縄文時代に北海道~沖縄、伊豆大島、隠岐、対馬にすでに縄文文化が均一に展開されていたと書かれています。
12000年くらい前から日本文化があるということで、中国五千年など地球の四大文明よりも古いわけですね。
伊勢神宮の式年遷宮
20年ごとに建て直すのは有名ですが、しばらく古いのも共存しており、15年くらいかけて次の神殿を建てる。
この方式では実物という最もすばらしいモデルが横にあるので、同じものが受け継がれやすい。
それが 1200年以上続けられて成功している理由ですね。
日本以外の古代建築はすべて「廃墟」だが、伊勢神宮は常に新品というのが面白いですね。
焼き物
陶磁器についても各地を取材されています。
一番面白かったのは有田焼。
陶山神社にまつられているのが、応神天皇、鍋島直茂、李参平の三柱。
李参平は朝鮮陶工で、秀吉の朝鮮侵略のときに鍋島藩につれてこられ、有田焼を始めた人。
朝鮮では人間扱いされない最下層の職人でも日本に来ればカミにさえなれるというので、呉さんは非常に驚いておられます。
匠の精神を貴ぶことに関しては ドイツと日本はほかの国をはるかに凌駕しているでしょうね。
青色LED でノーベル賞とれるのもそのおかげかも。
木曽路
木曽路と言えば島崎藤村ですが、藤村の実家も取材されています。
ここでは木曽路の漆器についての言及ですが、過去の街道風景がどうして現代まで残ったかとか、漆器がどうやって作られるか、など私はあまり関心のなかったことが語られています。ちょっと興味がでてきたぞ。
*
ほかにも目からウロコの指摘がいっぱい。
ということで、一読をおすすめします。
関連記事
###
関連記事
-
-
教養としてのテクノロジー―AI、仮想通貨、ブロックチェーン / 伊藤 穰一
★☆☆☆☆ MITメディアラボ所長の伊藤穰一の本。 現代の最新テクノロジーについて詳
-
-
ど素人がはじめるFXの本 / 羊飼い
ど素人がはじめるFXの本 「羊飼いの外国為替証拠金取引FXブログ」管理人 羊飼
-
-
成瀬は都を駆け抜ける / 宮島未奈
★★★★☆ 成瀬シリーズの3冊目(最終巻)。6つの短編が収められています。 いつもの
-
-
ゑゐり庵綺譚 / 梶尾 真治
ゑゐり庵綺譚 (徳間文庫) 梶尾 真治 徳間書店 1992-02 売り上げ
-
-
3分で「気持ちの整理」ができた。 / 中谷彰宏
3分で「気持ちの整理」ができた。―悩んでるヒマがもったいない。 中谷 彰宏 三
-
-
最強の教訓! 世界史 / 神野正史
★★★☆☆ 著者は河合塾の講師(世界史)。学者ではないので、平易な語り口で書かれており、非
-
-
日本人の給料はなぜこんなに安いのか / 坂口孝則
★★★☆☆(思ったより良い) 坂口さんは以前から何冊か読んだことがあり知っていましたが
-
-
クラシックアホラシー / 神沼 遼太郎
クラシックアホラシー 神沼 遼太郎 幻冬舎ルネッサンス 2008-02-13
-
-
知れば知るほど面白い 朝鮮王朝の歴史と人物 / 康 熙奉
知れば知るほど面白い 朝鮮王朝の歴史と人物 (じっぴコンパクト新書) 康 熙奉
-
-
逆説の日本史〈別巻3〉ニッポン「三大」紀行 / 井沢 元彦
逆説の日本史〈別巻3〉ニッポン「三大」紀行 (小学館文庫) 井沢 元彦 小学







