日本人を冒険する―あいまいさのミステリー / 呉 善花
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日本人を冒険する―あいまいさのミステリー
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★★★★★
韓国人の著者による日本人論なのだが、実に着眼点がすばらしく、本質を突いているのではないかと思わせます。
著者は済州島出身であり、韓半島の韓国人とは違ったメンタリティーを持っているようです。
日本に対する偏狭な態度を取る韓半島人とは全く異なった広い視野で、日本人のいろんな特性について仮説を立てて、例証をあげていきます。
それがじつに説得力があるのです。
*
たとえば、
「西洋も中国も韓国もイデオロギー、宗教などを尺度に、自らの正義を貫こうとしている。だから議論が行き詰まると武力で解決せざるを得ない。
ところが、日本では イデオロギーなどという強固な行動規制は支配階級が取り入れて庶民に広められると、日本人が従来から持っている「前アジア的」な特性(和、共生)とぶちあたり、薄められ、都合の良いところだけを取り入れられ、具合の悪いところは捨てられる」
のように述べておられます。
日本人はこうした 他者と争わないで共生するという特性を持っているので、世界でもっと活躍できると著者は述べているのだが、他の国はみなイデオロギーに洗脳されているのでなかなか難しいですね。
*
ともかく、私にとっては目からウロコが何枚も落ちた、いい本でした。
*
文庫化されています。
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日本人を冒険する―あいまいさのミステリー (PHP文庫)
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