日本人は世界一間抜けな美術品コレクター (光文社ペーパーバックス) / 新美康明
公開日:
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読書
日本人は世界一間抜けな美術品コレクター (光文社ペーパーバックス)
新美康明 光文社 2008-06-21 売り上げランキング : 322479 by G-Tools |
★★★☆☆
牧神画廊の主人 新美康明 さんが日本美術界の裏話を画廊主の立場から披露。
バブル時代の 金にまかせて世界の美術品をババ掴みした日本人コレクターの話だけかなと思ったら、本質的なところが書かれており非常にオモシロイ。
牧神画廊はいわゆる現代絵画が専門なので、バブル時代にはあまりウケなかった分、やや客観的に書かれておりナットクできます。
日本人は「投資としての美術品」ばかり漁り、「文化としての美術品」には全く目が利かないのは、きちんとした価値観がないから、という主張。
要は自分の価値基準がないので金額でしか判断できないわけで、世界から笑われている、と。
今では中国人にその座を譲ったでしょうから、まあいいかも。
そのほかいろいろ興味深いことが書いてありますが、次のようなネタが面白かったです。
- 日本の洋画は海外では全く評価されていない(え、フジタもか?)
- 国立新美術館は所蔵絵画はまったくないので、ただの貸しギャラリーである
- 国公立の美術館の館長は名誉職で経営的に全く無能なことが多い
- デパートで絵画を買うのは全くのムダ
- いろいろ根本的な方策が考えられるが、それらを全部やったとしても数百億円程度で、高速道路建築なら数km分の費用にしかあたらない
公職を利用して評価をつり上げたり(実名は伏せてあるがたぶん平山郁夫のことネ)、自分のプロデュースのうまいだけのアーティスト(村上隆、奈良美智を名指し)がもてはやされているが、もっと若くて才能のある画家を国と国民の両方がもり立てていって欲しいと力説されています。
私はギャラリーフェイクでしかこの世界は知りませんが、「実情もやっぱりあんな感じかあ、さすが細野不二彦」と思ってしまいました。
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