孟嘗君と戦国時代 / 宮城谷昌光
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読書
★★★☆☆
宮城谷昌光さんの本。
この著者の小説は大変読みにくいと思う人も多いでしょうが、この本は小説ではない(簡単な歴史解説書)ので非常に読みやすいです。
春秋戦国時代について書かれていますが、春秋時代(およそ紀元前800-400年)でなく戦国時代(およそ紀元前400-200年)の中期に生きた孟嘗君の一生を主軸として書かれています。そのため彼に関係のない部分は割愛されていますが、しかたのないことですね。
孟嘗君は戦国の七雄の一つである斉を簒奪した田完(陳完)の 11代後の子孫になります。
本名は田文。
母の身分が低かったが、聡明であったので40人の兄弟の中から選ばれて父の田嬰(諡号は靖郭君で威王の末子あるいは弟)のあとを継ぎました。
田嬰は斉王を継がず、薛という領地をもらって薛候と呼ばれていたので孟嘗君(田文)は薛候という地位を継いだわけです。
彼は斉の王室を補佐したり、秦や魏の相国(首席大臣)を務めたり、多勢の食客を養ったり、連合軍の総将軍を務めたりと、非常に波乱万丈な人生を送った人ですね。
いつ権謀術数に巻き込まれて殺されるかわからないような時代に、歴史の表舞台を飾るのは強運のみではかないません。
高い人徳による優れたリーダーシップは誰もが見習いたいところですね。
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