新型コロナウィルスにおける医療崩壊
公開日:
:
最終更新日:2020/03/18
医療
チャイナの発表では新型コロナウィルスの PCR検査の感度、特異度はインフルエンザウィルスの PCR検査に比べて著しく劣るとのこと。
数字を盛るのが大好きなチャイナがそう言って、しかも PCR検査をしなくなっているのですからかなり信用できます。
正確な数字はナゾですが、彼らの一部が言うように感度40%特異度90%くらいじゃないかという認識を持っておくことは重要。
仮に感度40%特異度90%の検査でマススクリーニングを行えばどうなるか。
患者10人、健常者10万人からなる集団に検査すると、
- 真陽性 4人
- 偽陽性 10000人
- 偽陰性 6人
- 真陰性 90000人
となる。
偽陰性(実はウィルス陽性)の人は「陰性だから」と言って社会に放たれる可能性がある。
それも問題だが、もっと重要なことがある。
偽陽性(実はウィルス陰性)の人は(別の風邪ウィルスにかかって症状があるなどの場合)、ウィルス陽性の患者と同じ施設に入所させられて、院内感染でほんとうにウィルス陽性になってしまう可能性がある。院内感染が起こらなくても一定期間の医療リソースをムダに消費する。
偽陽性10000人のうち別の風邪ウィルスにかかっている人の割合を 1%にしても100人。
真陽性は 4人なのに偽陽性100人もいっしょに入所させれば当然病院や隔離施設のベッドはすぐに埋まる。
後から発見された真陽性の人は重症でも入院できなくなる。
これが医療崩壊(韓国やイタリアで起きていること)。
コンビニ検査なんかやるとどうなるか、少し考えれば、相当「あタマガワるい」人でもわかるでしょうに。
関連記事
###
関連記事
-
-
画像診断管理加算問題に対する日本医学放射線学会の見解
元ネタ> 平成26年度診療報酬改定における画像診断管理加算に関する施設基準変更についての見解
-
-
厚生労働省は「人権侵害に当たり、法的にも権限がない」と言うが、それが人権侵害である
この記事(日経はビジネス以外の記事は普通に取材しているのでかなり信頼できる)では、 厚生労
-
-
医療費39兆2千億円 過去最高(3)
特にTVのバカキャスターですが、「医療費が高額になってたいへん」と無知からくるデマを散布しており
-
-
中国産割り箸にご注意
元ネタ> 水槽に入れたら金魚が死んだ…中国産猛毒割り箸の恐怖 日本マクドナ
-
-
胸部レントゲンを読影していて「先生は胸部のCTも読めますか?」「えっ?」
* 以前アルバイトで、とある健診施設の胸部レントゲン写真の読影をしていたときのエピソード(以前
-
-
「ワクチンで治療する」という言葉
TV でアナウンサーやコメンテーターなどが、「ワクチンで治療する」と言ったりしている場面を見ますが、
-
-
医者が病院から逃げ出すとき / 米山 公啓
医者が病院から逃げ出すとき (ちくま文庫) 米山 公啓 筑摩書房 2008-
-
-
イーサイトのシステムの利点(2)
続きです。 イーサイトヘルスケアの遠隔画像診断システムのほかの利点を紹介します。 病診連携に
-
-
胸部レ線についての過信
* これを言うとちょっと問題があるのですが、あえて書きます。 他科の医師(主に一般内科の年配
- PREV
- ショパン・アルバム / ホロヴィッツ
- NEXT
- 孟嘗君と戦国時代 / 宮城谷昌光






