日本古代史99の謎 邪馬台国から統一王朝まで / 鈴木武樹 (2)
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最終更新日:2020/05/03
読書
前回の記事「日本古代史99の謎 邪馬台国から統一王朝まで / 鈴木武樹」の続きです。
著者は宣化天皇のときに、百済本記に「大王や太子、王子ことごとく死す」と書かれ、同年欽明天皇が即位したことから、
- 欽明天皇は兄であるはずの宣化天皇とは血がつながっていない(クーデターがあった?)
- それどころか欽明天皇は任那の主国であった金官加羅の先王である仇衡(譲王)その人ではないか
という説を唱えています。
継体天皇以降にも皇統の断絶があったというのはなかなか勇気のいる主張ですが、この本にかかれている「根拠」を読んでみると「可能性はあるのかな」という気もします。
鈴木武樹がこの本を書いて数年で亡くなっているので、反論したり徹底討論したりしたという話は聞きません。生きていたとしても専門家は専門外の人の意見は相手にしないものですが。
まあ、このあたりは諸説いろいろなのであくまで仮説として楽しむにとどめたいですね。
*
あと、この本で初めて知ったというか気づかされたのは、履中天皇の皇女あるいは市辺押磐皇子(履中天皇の子)の皇女とされる飯豊女王(いいとよのひめみこ)が清寧天皇(飯豊女王のいとこの子 あるいは はとこ)の崩御後に一時的に即位した可能性が高いということ。
とすれば推古天皇より古い女帝がいることになりますね。
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