*

ヒトの耳はデジタル

公開日: : 最終更新日:2023/08/22 オーディオ

ヒトの耳はデジタルではなくアナログだと思いこんでいる人、とくにジジイは多いです。

鼓膜はいわゆる振動板で、その振幅を伝達、増強するのが耳小骨です。

その振動はリンパ液の振動となって内耳のコルチ器に伝わります。

ここまではアナログと言っていいのですが、コルチ器にある多数の有毛細胞がそれぞれある特定の周波数の音を捉え、聴細胞を興奮させます。

周波数弁別を行っているわけで、つまりアナログの波を周波数に応じて細かく切り取り、それぞれを神経の興奮があるかないかの0か1かの信号にするわけです。

それぞれの音の大きさはここでパルスの頻度に置き換えられます。つまり AD変換(PWM ではなく PDM変調)するわけです。

神経線維がこれを脳の聴覚野の脳細胞に送るのですが、この神経線維もデジタル伝送になります。しかも極めて低速です(不応期があるため)。

脳自体も 脳細胞という生体素子でできたデジタルなコンピュータですね。

周波数の違いや音の大きさはこういういい加減なデジタルシステムでも符号化できて伝送されます(正確にとはいかずかなり歪んでです)が、この耳のシステムでは音の位相情報はエンコードできません。

音の位相の違いが人によって感じ方が異なるのは、それが生得の能力ではなく学習によって後天的に得られたものであるからだろうと推測できます。

ナベサダが体ごとスイングするとトランペットの開口部はあちこちと動き回り、視聴者との距離は刻々と変化します。当然位相が狂います。位相の違いをみんな同じように正確に感じ取られるのであると仮定すれば、そのたびに「いま半位相狂った、あ、また狂った」と音楽を楽しむどころではなくなるかもしれません。

人間の耳は デジタルシステムに集音器としての鼓膜を接続したものです。

つまりはマイク付きの ADコンバーターです。

  • 人間の耳はすごい精度がある
  • 人間の耳はアナログ

とかいうのは迷信です。

脳は 100%デジタルです。

アナログなのかアナクロなのかは ご自分でもわかっていないと思いますが、今晩も日本のどこかでレコードを聴きながら、「ああ、やっぱりアナログに限る」と デジタルな灰色の脳たちは悦に入るのでした。

###

 

関連記事

スピーカー搭載 microSD式MP3/WMAプレーヤー

スピーカー搭載 microSD式MP3/WMAプレーヤー ブラック ノーブラン

記事を読む

ONKYO Liverpool D-200 エッジ張り替え

ONKYO Liverpool D-200[/caption] * ファンテックか

記事を読む

スピーカー搭載 microSD式MP3/WMAプレーヤー (2)

スピーカー搭載 microSD式MP3/WMAプレーヤー ブラック ノーブ

記事を読む

いい音源

以前の記事「LP の製作」で書けなかったのですが、我々が扱える音源というのは LP

記事を読む

ラックスマン製デジタルアンプLXA-OT3 到着

stereo (ステレオ) 2014年 1月号 音楽之友社 2013-12-1

記事を読む

スピーカーの測定距離にだまされないように

「3ウェイスピーカーの致命的欠点」で述べたように、大きなスピーカーは大きな部屋でないとまともに使えま

記事を読む

サブウーファーについて

スピーカー自作におけるサブウーファーのありがたみ スピーカーを作っているとサブウーファーがあればい

記事を読む

鳥型バックロードホーンスピーカー「コサギ」作りました

ヤフオクで junichitanzawa さんから落札した鳥型バックロードホーン型ス

記事を読む

今年はバックロードホーン! Stereo 付録のスピーカー(2015年8月号)

やって来ました、自作の夏が。 毎年訪れる・・・雑誌Stereoは8月号が”自作特集”なんです。

記事を読む

CDプレーヤー考(3) CIRC の回避

通常の音楽CD再生[/caption] 音楽CD の弱点 音楽CDはCD-DA という

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

2025-9-15 またまた万博へ

朝から万博に行きました。 栃木に住んでいる義兄(妻の兄)がうちに

2025-9-14 びわ湖バレイ

本日は、遠方から義兄が来てくれていたので、孫たちも連れてびわ湖バレイに

【FX】珍しい現象

デモ口座でフォワードテストをしている EA がいくつかありますが、その

幻の果物 長野産 ポポー

10月より発送予定!今や幻の果

アメリカ株投資 2025-09-11

なぜか好調(?)なアメリカ株の現時点での保有状況がこちら。 項目は

→もっと見る

  • アクセスカウンター
PAGE TOP ↑