貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える
公開日:
:
読書
★★★☆☆
まだ全部読んでおりませんが、非常に面白い本です。
貧困がどうしてなくならないかを机上で考えてもわかるわけはないので、フィールドワークで普遍的な二重盲検を使って得た調査結果から考えるのが適切であるというのが著者の主張です。
*
主食が十分食べられないためにカロリー不足である貧困家庭に、主食を買うように補助金を渡しても、彼らは「カロリーのあるもの」ではなく「もっとおいしいもの」を買うそうです。
もっともっとお金をもらえば、TV や DVDプレーヤーを買うそうです。
「ばかな」と思うかもしれませんが、彼らにとってはお腹いっぱい食べることより TV のほうが大事なのです。
*
ところが TV という娯楽品は(彼らにとっては)すごい経済的利益があるといいます。
TV があると、観る時間はたっぷりある彼らは TV で暇つぶしができます。
すると、TV のなかったときに散財していた冠婚葬祭など地域の催しにかける費用が減っていくのだそう。
娯楽のない田舎ほど冠婚葬祭にお金をかける傾向が世界中で見られ、ひどいときは年収の 3-4割に達するとか。
日本でも田舎ほど結婚式、葬式は派手ですもんね。まさかそれが TV が 2局しか映らないのが原因だとは思ってみませんでしたが。
日本でも低収入の人たちが、お腹をすかせながらも TV ゲームばっかりやっていることが問題になったりします。
栄養失調でゲームの最中に死ぬという事件もあったはず(海外でしたっけ)。
*
貧乏人とは国籍がどこであれ、世界共通の思考様式を持っているようです。
となると、それは人間の本姓が素直に現れているだけということなのでしょうか。
たぶん自分にもあてはまるのでしょう。
もう少し読み進めていきます。
###
関連記事
-
-
関西人の正体 (朝日文庫) / 井上章一
関西人の正体 (朝日文庫) posted with amazlet at 19
-
-
日本進化論 / 落合陽一(2)
★★★☆☆ 以前、「日本進化論 / 落合陽一」で取り上げた本ですが、「高齢者社会では経済成
-
-
もみあげ流 米国株投資講座(2)
★★★☆☆(教科書的) 以前の記事「もみあげ流 米国株投資講座」の続きです。 2
-
-
中国大破綻 / 宮崎正弘
中国大破綻 posted with amazlet at 18.11.16
-
-
一生お金に困らない山投資の始め方 / 永野彰一
★★★★☆ 「一生お金に困らない家投資の始め方」と同じ著者の本。 こちらのほうが先に
-
-
FX自動売買の基礎と実践 / Trader Kaibe
★★★☆☆ この業界では最も有名な Kaibe 氏の教科書的な良書。 FX 自動売買
-
-
世界は邪悪に満ちている だが日本は…… / 日下公人 高山正之 (2)
世界は邪悪に満ちている だが日本は……。 (WAC BUNKO 230) po
-
-
お客が集まるオンライン・コンテンツの作り方
お客が集まるオンライン・コンテンツの作り方 アン・ハンドリー C・C・チャップ
-
-
世界の首脳・ジョークとユーモア集 / おおば ともみつ
世界の首脳・ジョークとユーモア集 (中公新書ラクレ) おおば ともみつ 中央公
-
-
日本と世界がわかる 最強の日本史 (扶桑社新書) / 八幡和郎 [2]
★★★☆☆ 以前にも書いたのですが、また最初から読み返してみました。 アマゾンのレビ
- PREV
- 水出し コーヒー パック 10個入 送料無料
- NEXT
- フェリーの旅