索状影と索条影
よく、CT や MRI で「索条影」と書いてあるレポートがあります。
索条とは名詞で、麻・鋼を芯とし、針金をより合わせたもの数本をまきつけた綱ひものこと(三省堂の大辞林による)です。
「索条影」と書けば、このスチールヒモそのものを示す陰影ということになり、「索条影あり」とはこのヒモが体内に異物として存在するということを意味します。
明らかにおかしいだろ。
つまり、索状影の間違いですね。
「索状」(形容動詞:「ひものような」の意味)の代わりに「索条」(名詞)と間違って書いてあるケースもあります。
「索条の構造」とか。
くどいけれど、人体内には「索状の構造」はあっても、「索条」そのものは特殊な場合を除き存在しません。
特別な場合とはたとえば、切れたワイヤーロープがはじけて飛んできて腹部に突き刺さり、ヘタに抜くと大出血するかもしれないから腹部に刺さったまま かつぎ込まれてきた患者のCTを撮った場合などです。この場合は「索条あり」と書いていいです。アーチファクトが強いでしょうから、ほんとうに索条の構造が CT で見えるとは思えませんが。
ご注意を。
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