【読了】おしかくさま / 谷川直子
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おしかくさま 谷川 直子
河出書房新社 2012-11-09 |
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この前本屋で見かけて購入した、今年の第49回文藝賞を受賞した小説です。
本日、腰痛で家にこもって読破。
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前にも書きましたが、谷川直子さんは私の小学~中学時代の同級生です。家も互いに 200mも離れてませんでした。
以前は私の灘校の先輩の小説家である高橋源一郎さんと結婚しており、高橋直子名義で何冊かのエッセイを出しておられました。
現在は再婚されて谷川姓となり、長崎の五島にお住まいのようです。
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小説は一人称なんですが、その主体がいきなりころころ変わります。主人公が複数いるわけです。
主人公は中年の姉妹とその両親で、父親が新興宗教にはまっているのではないかと思うので調べてくれと母親に言われた姉(離婚して鬱病をわずらっているが、回復中)が信者の家に調査に入り・・・という話。
父が関わっていたのが、「おしかくさま」という神様を信じる宗教なんですが、これがATM を通じて御利益を与えるもので、お札をそこで清めてもらったりするとお金が増えるとかいう。やがてクライマックスで、おしかくさまが降臨したとされる少女と上野動物園で会い、彼女らはそこで奇跡に遭遇します。ところが・・・
後は買って読んでちょうだい。
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私には主人公の家庭が著者の家族とダブって見え、なかなかおもしろく思いました。
まあ、実際は違うのでしょうが、御尊父は教育者でしたし。姉妹の姉の方には彼女自身の体験が織り込まれているようですから、これが彼女の分身でしょう。でも彼女は実際は二女です。長女のケイコさまはこの小説では出てきません(たぶん完璧すぎるからでしょう)。
まあ、内容はお金の話なんですが、核心はお金の話ではないような、やっぱりそうであるような、いろいろと考えさせていただきました。
私には二重の意味で奇妙な読後感がありました。
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