椎体分離症ではない
公開日:
:
画像診断
たまに「椎体分離症」とか「L4 椎体が分離し・・・」という表現を目にしますが、椎体分離症という病名はないはずですし、解剖学的にもおかしいですね。
脊椎=椎体+椎弓
ですし、この疾患の場合、分離するのは椎弓(の椎間関節間部)で、すべるのは椎体です。
脊椎分離症というのは本当は「椎弓分離症」というほうが正確だと思います。
脊椎分離辷り症というのは正確には、椎弓分離症+椎体辷り症 なんです。
でもいちいち「椎弓分離症+椎体辷り症」というのはメンドウなので、「椎弓も椎体も脊椎の一部じゃないか~」と思ったヒトが「脊椎分離辷り症」と命名したのかもしれません・・・うーん・・・そこまで考えてなかったかもしれません。
変性辷り症
変性辷り症も変性するのは椎弓(椎間関節)で、すべるのは椎体です。
椎間関節がほとんど変性せずに椎間関節面で辷っている(亜脱臼と呼ぶべきかナ)だけで椎体が辷っている辷り症もよく見ますが・・・こういうのこそ、椎体と椎弓の両者が辷っているので真の脊椎辷り症と呼ぶべきだと思うのですが。
え、どうでもいい?
###
関連記事
-
-
遠隔画像診断でのストレス
* 遠隔画像診断をやっているときのストレスですが、 所見をつけた症例の結果がわからない
-
-
椎体辷りについてのまとめ
椎体辷り症についてのメモ 辷りの方向は、下の椎体に対して上の椎体が前後どちらかに辷るかを示
-
-
遠隔画像診断のビジネスモデル(4)
それぞれの場合での遠隔画像診断サービス会社の違いを見てみましょう。 * 上段は従来のファ
-
-
腰椎の圧迫骨折には T1強調画像を
* 腰椎のMRI は多い時で一日に 15件くらい見ていますが、高齢者に多い圧迫骨折の時期判定に
-
-
棘状筋は棘上筋じゃない、棘状筋なんてない
肩関節の画像診断報告書を見ますと、ときどき棘状筋と書いてありますが、そんな筋肉ありましたっけ?
-
-
脊椎脊髄ジャーナル 2013 April 脊椎脊髄の解剖と疾患
脊椎脊髄ジャーナル 26巻4号 (2013年03月28日発売) 出版社名:三輪書店 ★★
-
-
くも膜下腔と硬膜下腔
所見をつけたら質問が来ました。 上のような症例で「硬膜下腔に液貯留あり」と書いたら、「脳