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上腕骨の骨膜反応?

公開日: : 画像診断

中年女性の上腕骨ですが、「レ線にて骨膜反応が見られた・・・骨腫瘍疑い」ということで MRIの依頼が来ました。

上腕骨骨幹部やや近位よりの外側の皮質がリッジ状に肥厚しています。

基部には平行な骨膜反応があるようにも見えますね。

しかし、非提示の STIR などを含めても、骨髄腔や皮質骨内には明らかな腫瘍性病変や炎症性変化は見られません。

答え

別の人のX線写真です。

ここは三角筋の付着部で、上腕骨の「三角筋粗面」と呼ばれています。正常でも骨皮質の肥厚している部分です。

三角筋の付着部であるために 慢性的、断続的に 外方に骨皮質が牽引されているので、骨皮質が生理的に肥厚するのです。

骨膜が牽引されるので、骨膜反応と同様の像になりえます。

骨膜反応は骨内(骨髄内、骨皮質内あるいは骨膜下)の病変が骨膜を下から持ち上げるので原因が違いますが、結果としての画像表現が似てきます

詳しい説明は 藤本肇大先生の 『骨軟部の連想画像診断−画像に見えないものを診る』の 6ページに載っています。

興味のある方は本屋であたってください。できれば買ってください。そして、できれば一冊全部読んで覚えてください。

骨軟部の連想画像診断−画像に見えないものを診る 骨軟部の連想画像診断−画像に見えないものを診る
藤本 肇
メジカルビュー社 2016-03-30
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いい本です。保証します。

言わずもがなの一言

これで報告書に「骨腫瘍は見られません」とだけ書いて返す人がいますが、ちゃんと生理的肥厚であることを書かないと依頼医の知識は補完されません

また同じような依頼が来るかもしれません。

このような MRIの依頼は、

  1. 患者にとっては時間のムダ、お金のムダ
  2. 病院にとっては時間のムダ、ほかの患者の診断の遅れ
  3. 日本にとっては医療費のムダ、電気のムダ

になるので、ペダンティックに見られるのが嫌でもちゃんと書いて返しましょう。

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Comment

  1. 福井要一 より:

    こんにちは。私は青森県八戸市在住の整形外科医です。自身の五十肩の治療でレントゲン像を撮ったところ→虫喰い像的な所見が見られ、本日MRIでも骨膜下の不正像が見られました。一見して印象的に悪性とは思われませんが、母を悪性リンパ腫で亡くしており、可能であれば遠隔画像診断をよろしくお願い致します。

    • kotaro.yasuiwa@gmail.com より:

      こんにちは。
      見てみないとわかりませんが、骨皮質の虫喰い像なのでしょうか。
      MRI で骨髄や骨膜外の異常がなければ微細すぎて診断がつかない可能性が高いですね。いまは経過観察でもいいと思いますが。
      なんでしたら、CD-R か DVD-R にでも焼いていただいて郵送いただくか、そのディスクのディレクトリ構造ごと圧縮いただいて、「宅ふぁいる便」
      (https://www.filesend.to/)などのファイル転送サービスでお送りいただければ拝見させていただきます。

      • 福井要一 より:

        こんばんは。御丁寧にお返事頂き、
        ありがとうございます。とりあえず、iPhoneから、単純X線とMRIをお送りしましたが、あまり、精度が良くなく
        詳しくは無いのですが、一見して悪性とは思われない印象ですが、骨髄の変化もあるのでしょうか??直接iPhone送信のご無礼申し訳ありません

        • kotaro.yasuiwa@gmail.com より:

          メールでお送りいただいた写真はざっと拝見しました。
          これらの写真では Window/Level が変えられないので、骨髄信号の変化がないとは言えませんが、
          あまりはっきりしませんね。
          主に骨皮質の変化かと思います。
          確診は難しいですが、腫瘍にしては奇異です。
          代謝性疾患、とくに腎不全などによる二次性副甲状腺機能亢進症の変化に似ていると思います。
          そのような可能性はないでしょうか。

          • 福井要一 より:

            おはようございます。ご返信大変ありがとうございます。私は抗甲状腺抗体があり、所謂橋本病ですが、まだTSH、FT3-4は正常です。また、腎機能もBUN、creatinineも正常であります。今後経過観察して、単純X線を半年に一回程度撮り、変化があればまた、MRIを撮ろうとおもいました。貴重なご助言深謝致します。

          • kotaro.yasuiwa@gmail.com より:

            腫瘍による直接の骨破壊は考えにくいわけですが、間接的なものとして、
            1 高カルシウム血症(腫瘍細胞が過剰に産生・分泌する PTH-related protein によって起こる)があれば、肺扁平上皮癌、泌尿生殖器系腫瘍など
            2 低リン血症があるなら、軟部組織の腫瘍(いわゆる phosphaturic mesenchymal tumor)など
            の可能性は残ると思います。
            Ca、P(、PTH)の値も正常なら経過観察でよいと私も思います。

  2. 福井要一 より:

    八戸市の福井要一です。前記の補足として尚、胸部レントゲン、PSA.CEA その他の腫瘍マーカー正常で、胃大腸の内視鏡検査も正常でした。

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