貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える / アビジット・V・バナジー&エステル・デュフロ(2)
公開日:
:
最終更新日:2023/10/14
読書
以前の記事「貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える」の続きです。
この本にはいろいろ考えさせられる事項が満載なのです。
その中に、発展途上国のある村にたまたま海外企業の工場ができたところ、その村の住民の生活意欲が収入以上に向上し、就学率なども上がったという一節があります。
工場ができなかったほかの村ではこういう傾向は起きなかったということです。
「収入以上に」という点がミソで、工場に勤める人が世帯に一人でもいると、定収をアテにした未来が描けるようになり、借金をしてまでも生活レベルを上げていくようになったというのです。
*
すごい貧困が蔓延する国でこれが起きるのは非常にいいことのように思いますが、私はちょっと別のことを考えてしまいました。
これは、サラリーマンが無謀なローンを組む理由は我々の本能の中にあるってことを示しているのではないでしょうか。
「定収があれば未来が描ける⇒未来の収入をあてにして借金をする」というのは持って生まれた人間のサガなのでしょう。
サラリーマンがこれに陥り少しだけしか裕福になれないのはこの心理がもとになっているからなんでしょう。
だから定期収入、不定期収入に関わらず、強制的に一定の割合で 積立や天引きで 貯金and/or投資 をしないと先進国では十分に裕福になることはできないわけですね。
###
関連記事
-
-
上級国民/下級国民 (小学館新書) / 橘玲 (2)
上級国民/下級国民 (小学館新書) posted with amazlet a
-
-
読書の時間 創作の時間
* よく、「そんなに本を読む時間がありますね」 と言われますが、細切れの時間を利用しているだけ
-
-
歴史人物おもしろ裁判所―現代の法律で歴史人物を裁いてみれば…!? / 上野昭三
歴史人物おもしろ裁判所―現代の法律で歴史人物を裁いてみれば…!? 上野昭三 コスモ
-
-
人間昆虫記 / 手塚 治虫
人間昆虫記 (秋田文庫―The best story by Osamu Tezu
-
-
古寺歩きのツボ / 伊沢元彦
★★★☆☆ 古寺にスポットを当てて仏教を解説してくれています。 古寺には由緒正しき、
-
-
平壌で朝食を。 / 勝谷 誠彦
平壌で朝食を。 (光文社文庫) 勝谷 誠彦 光文社 2010-08-10
-
-
手塚治虫短編集(1)夜よさよなら
手塚治虫短編集(1)夜よさよなら (講談社漫画文庫) 手塚 治虫 講談社 1
-
-
実戦!問題解決法 / 大前研一 斎藤顕一
実戦!問題解決法 大前 研一 斎藤 顕一 小学館 2003-05-24 売り上
-
-
大摩のガロ (小学館文庫―忍法秘話) / 白土 三平
大摩のガロ (小学館文庫―忍法秘話) 白土 三平 小学館 1996-05
-
-
収入を決める時間の使い方時間がお金を生むルール (爽快・生活シリーズ)
収入を決める時間の使い方時間がお金を生むルール (爽快・生活シリーズ) 笹原義明
- PREV
- 印鑑の匠ドットコム
- NEXT
- 奇跡のノート術 / 長崎快宏






