*

日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫) / 竹村公太郎

公開日: : 最終更新日:2018/01/17 読書

日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫) 日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫)
竹村 公太郎
PHP研究所 2013-10-03
売り上げランキング : 9701
Amazonで詳しく見る by G-Tools

★★★☆☆

建設省で河川行政に長年携わった経験から、歴史学の専門家(文系)には到底思いつかない視点から日本史の謎を解明してくれています。

探偵ミステリのようなニオイがします。

なぜ京都が都になったか

長年京都が都であった理由を考察しています。なぜ奈良が打ち捨てられたのかも、併せてわかります。

元寇が失敗に終わった本当の理由とは何か

元軍の上陸地が山に囲まれた泥地であったため、騎兵が走り回れなかったということです。

この本には載っていませんが、夜襲で殺人兵器のような武士たちがさんざん暴れまわったために野営できず、夜には船に戻った(その船にも夜襲をかけたという)ところに季節外れの台風が来たことも大きいでしょう。

私見では、船が高麗製だったので台風で簡単に沈んだのだと思いますが。

なぜ信長は比叡山延暦寺を焼き討ちしたか

逢坂は狭隘地で、北の叡山から攻撃されればどんな大群でもぷつんと伸び切ったヒモが切れるように翻弄される。

かつて、同様の作戦で今川義元を討ち取った信長が逢坂を無事に通過できるように災いの元の延暦寺を滅ぼした、という説です。なるほど。

関ヶ原勝利後、なぜ家康はすぐ江戸に戻ったか

住みにくいが潜在能力の高い江戸を早く改造するためという説です。もっともな話です。

赤穂浪士の討ち入りはなぜ成功したか

背後に徳川家の吉良家に対する百年間にわたる怨念があって、それで復讐がなされたという説。

浅野家の吉良家に対する復讐ではなく、徳川家のというところが初耳でした。

忠臣蔵はある人(井沢氏ほか)に言わせると、精神●●者の殿様のやったことを糊塗するために罪のない老賢者をなぶり殺しにする話だということですが、幕府の態度がなかなか理解できなかったのです。それがこの本で徳川家と吉良家の関係を明らかになったことでガテンがいくようになりました。

それ以外にもおもしろい謎とその解明が披露されており、実にわくわくします。

歴史好きな人はハマりますし、ブラタモリが好きな地形マニアにも喜ばれる本だと思います。

関連記事

###

関連記事

東大のディープな日本史 / 相澤理

★★★☆☆ 以前の記事で「東大のディープな日本史2 / 相澤理」を紹介しましたが、今回はそ

記事を読む

街道をゆく〈4〉洛北諸道ほか / 司馬 遼太郎 (2)

街道をゆく〈4〉洛北諸道ほか (1978年) 司馬 遼太郎 朝日新聞社 1978

記事を読む

フリーランス女医は見た 医者の稼ぎ方 / 筒井冨美 (2)

フリーランス女医は見た 医者の稼ぎ方 (光文社新書) 筒井 冨美 光文社 2

記事を読む

斑鳩宮始末記 / 黒岩重吾

斑鳩宮始末記 斑鳩宮始末記 (文春文庫) 黒岩 重吾 by G

記事を読む

爆笑問題の日本原論2

爆笑問題の日本原論2 爆笑問題の日本原論〈2〉 (幻冬舎文庫) 爆笑問題

記事を読む

ヘンな世界史 / 鈴木 豊

ヘンな世界史 ヘンな世界史―推理小説より10倍面白い (ワニ文庫) 鈴木 豊

記事を読む

いきなり最終回

いきなり最終回 いきなり最終回―名作マンガのラストシーン再び (1

記事を読む

金儲けのレシピ / 事業家bot (2)

以前の記事「 金儲けのレシピ / 事業家bot 」の続きです。 著者は他業種のビジネスモデルを

記事を読む

フリーランス女医は見た 医者の稼ぎ方 / 筒井冨美

フリーランス女医は見た 医者の稼ぎ方 (光文社新書) 筒井 冨美 光文社 201

記事を読む

あっぱれ! 朝日新聞(笑) / 勝谷誠彦

あっぱれ! 朝日新聞(笑) (WAC BUNKO) 勝谷誠彦 ワック 200

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

HDMI EDIDエミュレーター パススルー ドングル

現在、4台の PC の HDMI端子から KVM切替機を通して 1台の

SWIMMIN’ / 村松健

村松健の CD アルバム「SWIMMIN'」です。 BOOK

M.2 NVMe to PCI-e 変換アダプタ 拡張カード

M.2 NVMe to PCI

【ふるさと納税】河内晩柑 / 愛媛県愛南町

【ふるさと納税】 【高評価★4

Apacer SSD 256GB(M.2 NVMe)

Apacer アペイサー SS

→もっと見る

  • アクセスカウンター
PAGE TOP ↑