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日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫) / 竹村公太郎

公開日: : 最終更新日:2018/01/17 読書

日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫) 日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫)
竹村 公太郎
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★★★☆☆

建設省で河川行政に長年携わった経験から、歴史学の専門家(文系)には到底思いつかない視点から日本史の謎を解明してくれています。

探偵ミステリのようなニオイがします。

なぜ京都が都になったか

長年京都が都であった理由を考察しています。なぜ奈良が打ち捨てられたのかも、併せてわかります。

元寇が失敗に終わった本当の理由とは何か

元軍の上陸地が山に囲まれた泥地であったため、騎兵が走り回れなかったということです。

この本には載っていませんが、夜襲で殺人兵器のような武士たちがさんざん暴れまわったために野営できず、夜には船に戻った(その船にも夜襲をかけたという)ところに季節外れの台風が来たことも大きいでしょう。

私見では、船が高麗製だったので台風で簡単に沈んだのだと思いますが。

なぜ信長は比叡山延暦寺を焼き討ちしたか

逢坂は狭隘地で、北の叡山から攻撃されればどんな大群でもぷつんと伸び切ったヒモが切れるように翻弄される。

かつて、同様の作戦で今川義元を討ち取った信長が逢坂を無事に通過できるように災いの元の延暦寺を滅ぼした、という説です。なるほど。

関ヶ原勝利後、なぜ家康はすぐ江戸に戻ったか

住みにくいが潜在能力の高い江戸を早く改造するためという説です。もっともな話です。

赤穂浪士の討ち入りはなぜ成功したか

背後に徳川家の吉良家に対する百年間にわたる怨念があって、それで復讐がなされたという説。

浅野家の吉良家に対する復讐ではなく、徳川家のというところが初耳でした。

忠臣蔵はある人(井沢氏ほか)に言わせると、精神●●者の殿様のやったことを糊塗するために罪のない老賢者をなぶり殺しにする話だということですが、幕府の態度がなかなか理解できなかったのです。それがこの本で徳川家と吉良家の関係を明らかになったことでガテンがいくようになりました。

それ以外にもおもしろい謎とその解明が披露されており、実にわくわくします。

歴史好きな人はハマりますし、ブラタモリが好きな地形マニアにも喜ばれる本だと思います。

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