日別アーカイブ: 2026年5月28日

株はずっと上がるもの 誰も書けなかった株式投資の真実 / 広木隆


★★★☆☆(面白かった)

マネックス証券のチーフ・ストラテジストである広木隆氏の『株はずっと上がるもの 誰も書けなかった株式投資の真実』です。

ばかみたいなタイトルですが、中身は非常にロジカルで、アカデミックな理論と豊富なデータに裏打ちされた投資理論書です。

この本が提示している核心的なポイントをいくつか分かりやすくまとめました。

なお、ここでの「株」は株式全体あるいはその部分集合である指数(S&P500など)のことで、個別株のことではありません。

1. なぜ「株は上がる」と言い切れるのか?(3つの視点)

著者は、株価が長期的に上昇していく背景には構造的な3つの理由があると言い切っています。

  1. インフレ(貨幣価値の低下): お金の価値が目減りしていく一方で、実物資産の裏付けがある株式や不動産の価値は上がります

  2. 企業の利益成長: 人類が「今日より明日を良くしよう」という意欲を持つ存在であるので、企業は利益を生み出し、成長を続けます

  3. 市場の淘汰(サバイバル・バイアス): ダメになった企業は市場(指数)から自然と除外され、あるいは市場から退場します=強い企業が残って全体を押し上げていくという仕組み自体が、指数にビルトインされているためです

2. 本書が焦点を当てる「投資の本質」

以下のような本質的なテーマを深掘りしています。

  1. インデックス(パッシブ)運用の強み: 個別株がすべて上がるわけではなく、市場全体に投資するインデックス投資こそが、上記の「サバイバル・バイアス(大勝ちするごく少数の銘柄を逃さない仕組み)」の恩恵を最も効率的に受けられると解説しています

  2. 高配当株投資の真実: 多くの投資家が好む高配当株について、単に「利回りが高いからパフォーマンスが良い」のではなく、その本質は「キャッシュフロー(CF)生成力の強さ」や「PBROE戦略」「益利回り」といった高度な企業価値に起因している点をロジカルに説明しています

  3. 売り時とバブルへの心構え: 基本的に株は売らなくてよい(長期保有)としつつも、プロスペクト理論(損失の痛みを強く感じる心理)を交えながら、暴落の予兆やマーケットとの正しい付き合い方を提示しています

*

単なる「誰でも簡単リタイア」的な本ではありません。
300ページを超えるボリュームがあり、一部数式やファイナンス理論も登場します(難しければ読み飛ばせば結構)。

「なぜ長期投資が正しいのか」を感覚ではなく、ブレないロジックと理論で自分自身の信念を固めたい方には非常に有益な一冊です。
長期投資には自分の心を理論武装でがちがちに固めて、暴落時に投げ売りしないようにすることが大切です。
暴落時に耐えることを心の痛みなく行えるようになるには絶好な良書です。

私も「よーし、今まで以上に 高配当株投資に尽力していきまっせ」という活力をいただきました。

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