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グローバル経済に殺される韓国 打ち勝つ日本 / 三橋貴明

公開日: : 読書

グローバル経済に殺される韓国 打ち勝つ日本 グローバル経済に殺される韓国 打ち勝つ日本
三橋貴明
徳間書店 2012-06-21
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★★★★☆(よくわかる)

パククネ政権が発足する前の 2012年の執筆ですが、当時の(そして今も)韓国の突き進むグローバリズムの危険度と韓国の行末を解説した名著。

サムソンなどがどんどん売れば売れるほど韓国国民は貧しくなっていくというカラクリ。

サムソンがこけると助かるのかというと、サムソンも国民も国ごといっしょに沈む。

どちらに転んでも国民が不幸になるというのに、それを加速させる FTA をどんどん増やしている韓国。

イミョンバク(李明博)のこの試みを本来は野党が打ち砕くはずだったのを、与党のパククネがイミョンバクを非難して選挙に勝ってしまい、その後も誤りを修正せずに拡大生産しているバカぶりが滅びに至る最大原因なのです。

グローバリズムではどんどん賃金は安くなる

グローバリズムではそれを導入した国の賃金はどんどん安くなるのです。世界最低限を求めて。

それを「底辺への競争」と呼びます。

日本でもユニクロなどがグローバリズムに走っていますが、そろそろ成長モデルも終わりのようです。

こういう状態では自然と非正規雇用者が増え、熟練工などの技術者の成長、後進の指導、ノウハウの蓄積ができなくなり、企業はコストカットと薄利多売に走らざるを得なくなります。

堂々巡りの負のスパイラルとなるわけです。

ガラパゴス化はグローバリズムのアンチテーゼ

日本ではグローバリズムがさほど進行していません。

導入したソニーやユニクロがどんどん劣化していることが歯止めになっているのでしょう。

日本では「使いこなしの資本主義」が育っており、ウルサイ消費者が一億人もいるおかげで製品やサービスの完成度が高くなり、しかもそれがどんどん磨かれていくのです。

その結果、世界のどこにもない製品や文化、建造物、サービスが生まれ育っているのです。

グローバリズムで質の悪いものを大量につくって安く売る企業とはそもそも違うので、彼らと価格で競争する必要はないのです。

彼らをうまく使って(部品を売りつけたりして)儲ければいいわけです。

韓流のカラクリ

韓流は韓国政府が国策で振興しています。

韓国国内では市場がないので最初から海外がターゲットなんです。

韓流スターは小さい時から養成されてデビュー時には完成度100%となって出てきます。

日本のアイドルはデビュー時は 0%。

だからショービジネスとしてまともに戦うととても勝てないのですが、日本のアイドルというのは最初からそういうものなのでカワイイ文化のある日本のみでは生きていけるのです。

秋元康はそのへんのことをよくわかっていて、0%のアイドルを集めて一山いくらで売っています。

プロデュース側は管理がしやすいし、コストも削減できて一石二鳥以上です。

秋元康はそのへんのことをさらによくわかっていて、AKB(0%)のさらに下に研究生(マイナス数%)まで使っています。おそろしい奴だね。

日本でもアイドルが進出する前の演劇の世界では、すでに完成された役者がやっていました。

あの宝塚も昔はそのはずでしたが、学生や新人など100%にはいたらない存在もうまく使って(アイドル文化のいいとこどり?)いるのはやはり日本らしいですね。

へたな芝居や訓練の足らない役者だとアメリカだと客から「金返せ」になるのは見えています。

だから韓流スターはまあ演歌歌手と同じ。

完成されたものどうしできびしく戦ってください。

でも日本ではどちらもアイドルには勝てないです。

日本市場は健全な競争がある

韓国のように巨大財閥が独占しているようなことはないので、日本市場には健全な競争が存在しています。

このおかげで消費者は安くていいものを選択できて得をしているのです(韓国はその逆)。

独占主義のカルフールもウォルマートも日本ではすぐに撤退。

他のグローバリズムの国では、カルフールもウォルマートも同業他社を駆逐して顧客を囲い込んでから値上げを行って儲けているのですが。

要するに日本では巨大企業は要らない・・・健全な競争があればいいのです。

結論

日本が成長できないのはグローバリズムが浸透していないからではなく、単にデフレのため。

デフレさえ克服すればグローバリズム(その最たるものが TPP)のような害悪の多いものは考える必要すらないのです。

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