新版 戦国史新聞 / 戦国史新聞編纂委員会
公開日:
:
最終更新日:2021/12/23
読書
★★★☆☆
新聞形式
前回の記事「三国志新聞 」と同じ出版社の日本文芸社から出ています。
本書は日本の応仁の乱から江戸時代の始まりまでの 150年間を描いています。
最大の特徴は新聞の縮刷版のような「紙面」を再現している点です。
新聞形式のメリット
個別の武将を TVドラマや小説で追っかけると、どうしても時代背景や他の人物との関連がわかりにくかったりしますよね。
この新聞では同じ時期に起きた事柄が1面に並んで表示されるので、時代の変遷がよくわかります。
歴史の正しい位置に 事件や人物などのピースが はめ込まれるようなものです。
いわゆる経緯というやつです。
経糸(たていと;縦糸のこと)と緯糸(よこいと;横糸のこと)とが織り重なって布ができるように、いろいろな歴史的事件をほかの事件と同時に見ることが経緯を知るってことなんですね。
大河ドラマだけ観ていては、見えないものもあるってことです。
たとえば、第4次川中島の戦いと、謙信が関東管領になったのと、秀吉がねねを娶ったのが同じ年(1561年)なんです。意外でしょ。
謙信の偉大さ
この本を読みながら ちょっと考えたことが一つ。
謙信が上杉家の家督を継いだのは上杉憲政が関東から遠く離れた越後まで逃げたからですが、そのため謙信が関東平野に攻め入るときは遠路はるばる山越えをしないといけないわけです。
つまり山の間道を通らないといけないわけですが、間道の行軍は軍団が長く伸びるため、中央部などを横から突かれると壊滅の憂き目にあうこともあります。
ですから道中の敵勢力を全部寝返りさせるか打ち破らないといけないので、関東平野に着くまでが大変ですし、帰りも大変。
もし大敗すれば越後に退却する途中で落ち武者狩りにあってしまい滅亡する可能性も結構高いのです。関東の諸将(北条方)が籠城策を採ってくれたからそうはなりませんでしたが。
その危険を冒してまで何度も関東平野に進軍した謙信はやっぱりすごいと思いました。
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