30ポイントで読み解く「ローマ帝国衰亡史」―E.ギボンの歴史的名著が手にとるようにわかる / 金森誠也

30ポイントで読み解く「ローマ帝国衰亡史」―E.ギボンの歴史的名著が手にとるようにわかる (PHP文庫) 30ポイントで読み解く「ローマ帝国衰亡史」―E.ギボンの歴史的名著が手にとるようにわかる (PHP文庫)
金森 誠也
PHP研究所 2004-07
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★★★☆☆(おもしろかった)

1737年生まれの英国人エドワード・ギボンの歴史的名著『ローマ帝国衰亡史』を 30の項目にまとめ直した副読本。

ローマ帝国の歴史がわかります。

私は塩野七海のイタリア関係の本はかなり読んでいます。ベネチアものが多いですが、ローマ帝国史を通しで読んだことはほとんどないです。

そろそろギボンの『ローマ帝国衰亡史』を読まなければいかんなと思っていたところ、この本を見つけて購入。

ラッキーでした。

この本では帝国の始まりから王制のあたりはほとんど語られていませんが、ポエニ戦争とシーザーにはかなりのページが割かれています。

帝政になってからはシーザーの血をひいた最初の5人がいかにだめであったか・・・5賢帝前のカリグラやネロの残忍さ、5賢帝後の武人皇帝や僭帝たちの体たらくなど、ゲンナリする話が続きます。

カスの皇帝とカスの市民との間で板挟みになった将軍や軍人たちが気の毒だなと思ったりしますが、その将軍も皇帝になるとダメダメになってしまうという、現代の発展途上国と大して変わらないありさまに苦笑いしてしまいます。

西ローマ帝国が滅んだ大きな原因はアッティラ率いるフン族が引き起こしたゲルマン民族の大移動ですが、そのころにはローマ市民の中にかなりゲルマン人が同化しており、帝国の統一が取れなくなってきます。これも現代世界のありさまを思い起こさせてくれます。

東ローマ帝国は西ローマ帝国の滅亡後も長く続きますが、ギリシャ人が早くから同化しており、7世紀になると公用語がラテン語からギリシャ語になってしまいます。もはやローマ帝国と呼ぶものから変質してしまっています。それに 1204年には十字軍により一度滅ぼされてもいます。

まあ、国というものはいつかは滅ぶものですが、こんなムチャクチャなことをあの蛮族だらけの土地で非常に長く続けられたというのはやっぱり希有な大国であったと思います。

ただし、それは国民がすばらしかったわけではない(なにせ「こいつはマトモだ」と思わせる人はこの本でたった数人しか登場しない)ですし、政治形態がよかったわけでもないということも、深く考えさせられました。

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