【膝関節のMRI】 Cyclops病変
公開日:
:
最終更新日:2018/12/11
画像診断
今日は久々に膝関節の MRI 診断の話。
前十字靭帯断裂術後に、前十字靭帯の腹側に「1つ目」のような腫瘤が生じることがあり、Cyclops 病変と呼ばれています。
ギリシャ神話の一つ目巨人の族名サイクロープスから由来した名称ですが、日本人なら「目玉おやじ」病変と呼びたいところです。
大きなものでは伸展制限をきたすことがあります。
関節内にあり、成分的にはフィブリンの沈着した炎症性肉芽組織です。
基本的に術後に発生するもので、表面は厚いフィブリンで覆われていることからは 異物肉芽腫の性格が強いと思います。
内視鏡では まれなものではないようですが、MRI ではあまり見かけないので、小さいものは見過ごしている可能性がありますね。
![]() |
![]() |
T2強調画像で高信号、T1強調画像で低信号なのでわかりにくいことも多いですが、内部にドリルの破損による微小金属粉などを含んで不均一に見えるものもあり、あるシークエンスだけでよく見えるなんてことがありますので、しつこく探してみてください。
見つけた時は、「おい、鬼太郎」。
###
関連記事
-
-
Crowned dens syndrome じゃない
以前このような画像が "crowned dens syndrome" の典型像として雑誌や書
-
-
画像診断報告書のコピペについて(続)
前回はこちら>画像診断報告書のコピペ 他人の書いた過去所見のコピペが非常識な行為なのか 前
-
-
RadFan 2013年1月号
* 拙稿「遠隔画像診断サービス 成功の秘訣 」が載った Rad Fan 2013年1月号 が発
-
-
横河 imageVins Pro
以前からよく話しているレポーティングシステムについている DICOM ビューワー
-
-
臨床画像 2017年3月号 Q & Aでおさえる vascular imaging 最重要ポイント
こちらでバックナンバーが買えます(Fujisan.co.jp)臨床画像 2017年3月
-
-
だめな画像診断システム
ま、だめな条件はいっぱいあるのですが、私が重視しているのは 「過去の画像が検索することなしにすぐ
-
-
腓骨遠位の骨腫瘍? 青池嚢胞 Aoike’s cyst
* 先日、MRI の依頼で 60代の男性で、依頼書の検査目的の欄に 「単
-
-
bk1は honto と合併
* 以前あったネット書店の bk1(ビーケーワン) は honto に吸収合併された格好になっ
-
-
医知悟は Linux では使えない
* 高槻でいつも読影に使っているサブマシン(Windows7 マシン;Vostro)が先週金曜
- PREV
- 孫と遊ぶと天武天皇になれる?
- NEXT
- Windows10って使う意味あるの