消えた都道府県名の謎 / 八幡和郎(2)
公開日:
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読書
イースト・プレス (2016-07-10)
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★★★☆☆
この前の記事「消えた都道府県名の謎 / 八幡和郎」の続きです。
県と郡
県の名前は原則は県庁所在地を採用するのですが、種々の理由で郡名から採られたものも多いです。
県が置かれる前、つまり江戸時代にも郡があったのです。というか郡は律令制で制定されたものなので古代からあるのです。
つまり、県より郡のほうが先にあって、県名は後からつけられた(郡名から採られることもあった)ということは常識として知っておいたほうがいいです。
私もつい最近それに気づいたので大きな顔はできないのですが。
大名の国替え
江戸時代の大名は石高が同じなら幕府の都合で転封(国替え)されても文句は言えませんでした。
つまり、大名には徴税権はあっても土地の所有権はなかったのです。
転封の際は藩札(借金)だけをきれいに償還して行くのが普通ということでした。
江戸時代、ほとんどの藩は赤字でしたのでこの借金が悩みのタネでした。
そのため廃藩置県の際には赤字地獄から抜け出るためにほとんどの大名が県知事になって給料をもらう(ついでに借金チャラ)ほうを選んだので流血騒ぎは起きなかったのです。
よほど借金がこたえていたのもあるでしょうが、土地の所有権を持っていなかったことも関係しているでしょう。
所有権と言えば、それぞれの土地には大名ではない所有者(庄屋とか農民とか商家、寺社など)がちゃんといたわけです。
イワサキ県
宮崎とか福島とか山口とか県名と同じ名字の人もいます。
まあ、人の名字も土地名からつけられることが多いのでどこかの県と同じ名字の人もいるでしょう。
イワサキ県には岩崎県(現在の秋田県の一部)と磐前県(現在の福島県の一部)があったようです。
私は先祖代々鹿児島県の血筋のはずなので無関係で、鹿児島にはそんな郡も県もなかったようです。
ちょっと残念なような、ほっとしたような変な気持ちです。
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