*

日本語の勘どころ―あなたが気づかない誤解・誤用の発見 / 大野透

公開日: : 最終更新日:2021/11/28 読書

★★★☆☆

本棚を見ていると大昔に買った本が目に付き、そのまま読んでしまいました。

1978年発行の本です。祥伝社の NON BOOK という新書判。

日本語の誤用をパターン別に分けて解説している本です。体系的に説明されているので、非常に理解しやすいです。

著者の大野透氏は原子物理学を東大で学んでから日本語の研鑽をして、言語研究所というところを主催している人だそう。

もともと理系の人だからか説明の方法がシステマティックな印象。

という漢字の原義は「日当たりのよい高台」。

阝(こざとへん)がついているので、もともとは土地を表すのですね。

というのは、阝(こざとへん)の元の字は「阜」で、つまり岡(丘)のことですから。

「日当たりのよい高台」の意味の漢字が太陽を表すように変化していったということです。

登竜門という門がある」という誤解について。

竜門というのは中国にある地名だそう。

2つの山の間に3つの急流がある地形で、ここを魚が登るのはたいへんだ(もし登れたらすごい魚だ)ということから、「竜門を登る」ことを登竜門と呼んだとか。

「竜門を登る」という意味の登竜門という言葉(動詞+目的語)はあっても、登竜門という名詞(そういう名前の門)はないということですね。

なにかのマンガで登竜門という額のかかった門が描かれていたような記憶が・・・ああ、はずかしい。

同じ大野でも学習院大学の大野晋氏(故人)のほうがこの著者より有名ですが、その大野晋氏は福田良輔氏(故人、元 九州大学名誉教授)の学説をそのままパクって岩波新書『日本語の起源』を書いたとこの本で非難しています。

それでも言語学の学会では許されているのはおかしい(理系の学会では許されない)とも書いてあります。

その頃の言語学会の重鎮たちも当たり前にパクりをやっていたので大野晋を処分できなかったのでしょうか。歌舞伎界の隠し子問題、TV局でのポロデューサーのキックバック問題も同じ図式?

まあ、他人の説をまるまるパクって新書を書いたり番組を作ったリするのは最近でもよくあることですが・・・イ・ケの上はア・クです(池上は悪です)。

など本題以外の部分も結構面白く読めました。

###

関連記事

貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

★★★☆☆ まだ全部読んでおりませんが、非常に面白い本です。 貧困がどうしてなくなら

記事を読む

ベムハンター・ソード / 星野 之宣

ベムハンター・ソード (講談社漫画文庫 (ほ2-6)) 星野 之宣 講談社

記事を読む

御隠居忍法 – 唐船番 / 高橋 義夫

御隠居忍法 - 唐船番 (中公文庫) 高橋 義夫 中央公論新社 200

記事を読む

青を愉しむ 万年筆インク6色セットつき 万年筆のある毎日

青を愉しむ万年筆インク6色セットつき万年筆のある毎日【300

記事を読む

朝90分。で稼ぐ人の仕事と生活成功ノート / 高島徹治

朝90分。で稼ぐ人の仕事と生活成功ノート 高島 徹治 幻冬舎 2004-08

記事を読む

3万人のビジネスエリートから学んだ 超 ・スピード仕事塾 / 中島 孝志 (2)

3万人のビジネスエリートから学んだ 超 ・スピード仕事塾 (しごとハンドブック)

記事を読む

世界のお金持ちが実践するお金の増やし方 / 高橋ダン

★★★☆☆ Youtube でも発信している高橋ダンの本。 この人の声はあまり好

記事を読む

医療崩壊の真実 / 勝又 健一

医療崩壊の真実 (アスキー新書)勝又 健一 アスキー・メディアワークス 2009

記事を読む

ぐっとくる? / 安田 佳生

ぐっとくる? 安田 佳生 サンマーク出版 2011-02-14 売り上げランキン

記事を読む

バカが国家をやっている / 勝谷 誠彦

バカが国家をやっている 勝谷 誠彦 扶桑社 2008-10-28 売り上げ

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【FX】リアル口座とデモ口座の同時進行(2)

前回の記事「【FX】リアル口座とデモ口座の同時進行」でこう書きました。

【FX】リアル口座とデモ口座の同時進行

FX で自動売買プログラムを使う場合、いきなりリアル口座にて他人の勧め

【FX】AXI Select 25日め

各FX業者から毎日メールで各口座の報告書が来ます。 あ、月報も月に

【FX】ECMarkets にデモ口座を開く

TariTali 対応の海外 FX 業者の中に ECMarkets(E

【FX】高頻度トレーダー(HFT)タイプの EA の評価方法(2)

以前の記事「【FX】高頻度トレーダー(HFT)タイプの EA の評価方

→もっと見る

  • アクセスカウンター
PAGE TOP ↑