Myソモサン・セッパ(3)の答え
考えれば考えるほどわからなくなってくる問題です。
【問題】
昨日のTVのソモサン・セッパでは、
1kgの金塊と、1kgの水が入ったバケツではどちらが重いか?
という問題が出ていました(答えはバケツの重さの分だけ後者が重いですよね)。
*
では、
1kg の空気と、1kg の水ではどっちが重いでしょうか?
と訊かれた花子さん、
空気は浮いているけど、水は地面に落ちるから、水のほうが重い
と答えました。
花子さんはセッパ(正解)かタワケ(誤答)かどっち?
*
【答え】
質量と重さが違うことは理科や物理で習ったはずです。
花子さんがそこにいるということで、重力加速度 1G の場所での答えとしましょう。
しかも真空ではまずいですね。空気があるとしましょう。つまり、地上でです。
空気があるところで、空気 1kg を測ることはできるでしょうか。
大量の空気も少量の空気も重量計で測ると重さはゼロですよね。
ですからこの場合は「質量が 1kgの空気」と解釈すべきです。空気は摂氏 0度、1気圧で 22.4リットルが 29グラムですから 1kg の空気の容積は 772.4リットルということになりますね。
この空気と水を比べますが、空気中で測ると空気の重さはゼロですから、空気中では水のほうが重いですね。
「質量が 1kg の空気と、質量が 1kg の水は空気中ではどちらが重いでしょうか?」という問においては花子ちゃんは正解です。
でも・・・
でもなんで空気の重さがゼロかというと、そう、アルキメデスの定理です。空気中でも押しのけた空気の分だけ重さは軽くなるのですね。空気の場合は自分の重さと、押しのけた空気の重さはともに同じですから、さしひきゼロになるのです。質量はプラスだけど重さはゼロなんです。
水素とかヘリウムとかは、自分が押しのけた空気(同じ体積)の質量よりも自分の質量が軽いので、重さは差し引きマイナスになっている。だから、空を昇っていくわけです。質量はプラスだけど重さはマイナスなんです。
1kg の水は容積が 1リットルありますが、押しのけた空気 1リットル(=1.29グラム)の分だけ重さが軽くなっているはずです。でも測った値(重さ)が1kgと決めているので、実は質量は 1.00129 kg ないと重さがジャスト 1kgになりません。
*
アメリカの小学校では「綿1kgと鉄1kgではどっちが重いか」と子供に考えさせるそうです。綿の方が容積が大きいですから、「どっちも同じ」ではなく、質量なら綿が大きいはず。
質量と重さの違いや空気の浮力などまで考えて答える子供はいるのでしょうか。
いそうですね。^^
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