イーサイトのクラウド型遠隔画像診断システム 利点(2)
公開日:
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最終更新日:2016/10/06
パソコン, 画像診断 イーサイト, 遠隔画像診断システム
イーサイトのクラウド型遠隔画像診断システム 利点(1)を書きました。
2つめの利点ではなく、補足(その2)です。
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イーサイトのクラウド型遠隔画像診断システムは Citrix Xen Server というサーバー仮想化技術をもちいています。
データセンターにあるサーバーにこれを導入すると使えるようになります。
ちなみに Xenハイパーバイザーも Citrix Xen Server も無料です。
これに Linux(これも無料) をサーバーOS として動作させると、種々の仮想マシン(Windows, Macintosh, Linux)を複数立ち上げることができるわけです。
イーサイトのシステムでは、この仮想 Windowsマシン(クラウド上に存在)での読影環境(ビューワーやレポーティングシステム)を提供しているのです。
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ユーザーの端末にはビューワーやレポーティングシステムをインストールしなくていいです。
端末にはサーバー上の読影環境に接続するための無料の小さなクライアントプログラム(Windows, Linux, Macintosh 用あり)をインターネット経由でダウンロードしてインストールしておくだけです。
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類似のソフトはいくつもありますが、Xen の優れたところは高速性です。
それはなぜか。
サーバーから端末には、ビューワーやレポーティングシステムの画面(小さなウィンドゥ)の内容(の変更差分)が転送されるだけ。画像ファイルが全部転送されるわけではないのです。
端末からサーバーには、マウス操作、キーボード操作、クリップボード内のデータが転送されるのみ。これもファイルの転送はまったくされません。
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非クラウド型ではサーバーから端末に画像ファイルや患者データなどが送られます。
画像データをビューワーが開いて処理してから表示するので、表示するのに画像データが全部転送されていないといけません(一部例外あり)。
画像データはだいたいですが、1コマ 0.5MBくらいのことが多く、1000コマで 500MB。フレッツ光マンションタイプの実測で 20-40秒くらいかかるでしょうか。
プリフェッチしたり、シリーズの最初のほうだけ最初に転送して 残りは表示してからバックグラウンドで転送するなどの姑息な手段で補っているわけですが、根本的な解決にはなりません。
端末からサーバーにはできあがりのレポートがファイルとして転送されます。
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クラウド型ではファイルのやりとりをしないで、画面データを直接OSに描画させて終わり。
この場合の画面データは最大1MB 程度だが、変更差分なので桁違いに小さいです。
非クラウド型ではファイル(数MB~∞)を送ってから、端末のソフトが処理してOSに描画させますから、ここで段違いの差がでます。
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クラウド型では端末のマシンスペックは低級でもOK。実際使用しているときに CPU 占有率は数%以下のことが多いです。
非クラウド型では大容量のメモリ、高速な CPU、大容量のディスクが必要です。
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クラウド型では端末用のソフトは無料。
非クラウド型では数十万円。
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クラウド型では端末のパソコンが壊れたらほかのパソコンで代用可能。
非クラウド型では修理あるいは代替機が必要。
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クラウド型では端末が盗まれても顧客情報は流出しない(パソコン内にファイルが残っていない)。
非クラウド型では端末が盗まれると顧客情報が流出するおそれがある(パソコン内に報告書、画像ファイルが残っている)。
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クラウド型では端末内にファイルが残らないので、ディスクの残り容量の乏しいシステムでも読影ができます。
非クラウド型では端末内に大容量の画像データが残りますので、ハードディスクがあふれると古いデータを消去しない限り、使えなくなります。
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私には他の人がクラウド型をなぜ採用しないのかよくわかりません。
イーサイトのシステムについてはこちら⇒遠隔読影の概要 – イーサイトヘルスケア株式会社
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