*

逆説の世界史 1 古代エジプトと中華帝国の興廃 / 井沢元彦

公開日: : 読書

逆説の世界史 1 古代エジプトと中華帝国の興廃 (小学館文庫)
井沢 元彦
小学館 (2019-09-06)
売り上げランキング: 6,063

★★★☆☆

逆説の日本史」シリーズはほぼ全巻読んでしまいましたが、今度は世界史。

宇宙人の視点で世界史を見るとどうなるかというテーマがおもしろい。

第一巻は古代エジプトと中国。

エジプト

エジプトの章では、ピラミッドは墓でないこと、ファラオの魂を来世に送る宗教装置であるらしいこと、ヒエログリフは象形文字(表意文字)ではなく表音文字であること、ピラミッドの建築技法をヒエログリフで示さなかったのはわざと秘匿したため、などが推示されています。

ヒエログリフが表音文字だったとは迂闊にも知りませんでした。どう見ても表意文字ですもんね。

アルファベットの Aもアレフと言う雄牛の頭を簡略化した象形文字からきているので、そう言われればそう不思議ではないわけです。

シナ

シナは明の時代まで世界最高を誇っていた文明がその後最高位から転げ落ちて清の時代には列強に蚕食されるまでに落ちぶれたのはなぜなのかについての考察が主題となっています。

靖康の変という歴史的事実が、朱子学による頑迷固陋化を促進し、祖法を重視し革新を否定したからというのが答えですね。

朱子学というのは来世、天国、地獄を否定し、現世しか考えていません。不老長寿は望むが、彼らに「そんなことをしたら地獄に堕ちるぞ」という脅しは効きません。

朱子学の世界では士農工商という枠組みがあり、商人は最下層。

商業は彼らにとってもともと悪行(悪業)なので商業倫理などはありません。売り物に毒が含まれようが、工場から公害を垂れ流そうが、儲かればいいわけです。

とまあ、他にも示唆されることがいろいろ。

よくまとまった本であり、とても参考になります。

###

関連記事

妖怪獣 / 水木しげる

ゲゲゲの鬼太郎 (4) (ちくま文庫) 水木 しげる 筑摩書房 1994-0

記事を読む

朝日新聞がなくなる日 – “反権力ごっこ"とフェイクニュース / 新田哲史 宇佐美典也

朝日新聞がなくなる日 - “反権力ごっこ"とフェイクニュース - posted

記事を読む

哀しき半島国家 韓国の結末 / 宮家 邦彦

哀しき半島国家 韓国の結末 (PHP新書) 宮家 邦彦 PHP研究所 2

記事を読む

万年筆 (平凡社カラー新書) / 梅田晴夫(2)

★★★☆☆ 以前の記事「万年筆 (平凡社カラー新書) / 梅田晴夫」の続きです。 著

記事を読む

成功の要素

* この前読んだ『成功の門』に書いてあった話だったと思いますが、面白い話を思い起こしました。

記事を読む

スーチー女史は善人か / 高山 正之

変見自在 スーチー女史は善人か (新潮文庫) posted with amaz

記事を読む

スピード情報術 / 中谷 彰宏

スピード情報術―仕事が速くなる53の具体例 中谷 彰宏 by G

記事を読む

残酷すぎる成功法則 / エリック・バーカー

★★★☆☆(おもしろい) 橘玲(たちばな あきら)が訳しているので買った本。 しばら

記事を読む

あたりまえのアダムス / ロバート・アップデグラフ

あたりまえのアダムス あたりまえのアダムス ロバート・アップデグラフ 酒井 泰

記事を読む

患者さんには絶対言えない 大学病院の掟(続き) / 中原 英臣

患者さんには絶対言えない 大学病院の掟 (青春新書INTELLIGENCE)

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【FX】2024年4月第1,2,3,4週総括

あと 2日残していますが、4月も 4週間(トレード日数としては 20日

ミニPC(N95) 3台目注文

アマゾンのタイムセールで 21400円と安くなっていたので、ミニPC

ミニPC(NipoGi AK1plus-n97)にて 10ケの MT4 を動作させる

Intel N97 CPU を積んだミニ PCの NipoGi AK1

古寺歩きのツボ / 伊沢元彦

★★★☆☆ 古寺にスポットを当てて仏教を解説してくれています

【FX】Rollover Miracle Greedy という EA

Rollover Miracle Greedy という EA がありま

→もっと見る

  • アクセスカウンター
PAGE TOP ↑