*

エヒノコッカス(エキノコックス)という名前

公開日: : 最終更新日:2021/09/02 医療

エキノコックスという寄生虫がいます。

非常におもしろい寄生虫で、親は条虫でサナダムシの仲間(エキノコックス属条虫)なのですが、人間に問題を起こすのは幼虫で、この幼虫のことを包虫とも嚢虫とも呼びます。

ヒトは偶発的な中間宿主で、この幼虫がヒトに引き起こす疾患を包虫症というわけです。

日本では北海道のキタキツネを最終宿主(親虫になる宿主)にしている多包条虫の幼虫によるヒトへの感染が多胞嚢虫症エキノコックス症)と呼ばれて問題になっています。

エキノコックス症には単包条虫によるものもあります。

多胞嚢虫症ではヒトの体内で虫卵が幼虫が嚢胞状となり嚢胞内部に無数の原頭節(頭節)を作ります。

なにがおもしろいかというと、エヒノコッカスはエヒノ(棘)とコッカス(球菌)からの合成語で、幼虫がトゲのある球体であることに由来しています。

親は全長 4mmくらいで 4-5個の体節からなるテープ状の「条虫」で、丸くもなければトゲもないのです。

つまり、条虫(tape worm)なのに「トゲのある玉」という名前なのです。

子供の名前で親も呼ばれているのです。

「バカボンのパパ」みたいなものです。あるいは、白鳥の親鳥やヒナをひっくるめて「みにくいあひるのこ」と呼ぶようなものです。

親と子供が全く違う形態をしているのに、その親子を親でなく子供の体の特徴で名付けをしているのです。

いくら親がヒトに対して無害でもおかしいでしょ。

エヒノコッカスじゃなく、「xx条虫」と呼んであげて。

多胞嚢虫症エヒノコッカス症じゃなく、ちゃんと「xx条虫幼虫移行症」と呼んでやってくださいよ。

「元・天才子役」と呼ばれる人たちがいます。

オトナになってもそう呼ばれています。

オトナだから子役じゃないのにです。

それどころか普通の役者にもなれていなかったりします。

固定イメージがつきすぎていたり、スレすぎていたりで使いにくいのでしょうか。どうなんですか、サカガミさん。

どことなくエヒノコッカスと似ていますね。そろそろトゲトゲするのはやめたらどうですか、サカガミさん。

###

関連記事

病院はもうご臨終です / 仁科 桜子

病院はもうご臨終です (ソフトバンク新書) 仁科 桜子 ソフトバンククリエイ

記事を読む

エボラウィルスに効くクスリ

日本産のエボラウィルス特効薬 「アビガン®錠200mg」のエボラ出血熱向け生産について という

記事を読む

大病院の医者が横柄なわけ

あるところで「大病院の医者が横柄なわけ」を訊かれました。 まあ、医者が全部横柄とは限りません。

記事を読む

画像診断管理加算バブルの終焉 テラークへの影響 (2)

* 画像診断管理加算バブル崩壊が起きた今春からだいぶ経ちました。 まだ密かに抜け道を模索して

記事を読む

胸部X線写真の話

もう時効だと思うので書きますが、以前に書いたことがあったかも。 又聞きなので、詳しいことは知りませ

記事を読む

誤診しやすい神経疾患 / 田代邦雄

誤診しやすい神経疾患 田代 邦雄 南江堂 2000-03 売り上げランキング

記事を読む

トンカツが食べられなくなると困るのでイスラム教やめる?

ネットでの書き込みで、ほんとうなのかギャグなのかわかりませんが、日本に来たイスラム教徒(アラブ人

記事を読む

画像診断管理加算バブルの崩壊の影響(2) 地方の中核病院の場合

前回はこちら⇒ 画像診断管理加算バブルの崩壊の影響 * 前回は、 常勤医のマンパワー

記事を読む

両刃のメス ある外科医のカルテ (朝日文庫) / 大鐘稔彦

両刃のメス ある外科医のカルテ (朝日文庫) 大鐘 稔彦 朝日新聞出版 2010

記事を読む

「パロチンはあります!」とオガタさん(2)

前回の記事(「パロチンはあります!」とオガタさん)がなかなか好評なので、ズに乗って、続編を。

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Zinner症候群

大昔、京都大学の医学部大学院生であったとき(39年ほど前)の話、ある先

白い人が仕掛けた黒い罠:アジアを解放した日本兵は偉かった / 高山正之

★★★☆☆ 著者は元産経新聞記者の高山正之さん。テヘラン・ロ

【AI】Antigravity2.0 で DPI 変換(2)

昨日の記事「【AI】Antigravity2.0 で DPI 変換」の

【AI】Antigravity2.0 で DPI 変換

画像の解像度(DPI)を変換するのには、Photoshop などのソフ

家紋の歴史について

日本の家紋の歴史は、単なる「家のマーク」の歴史ではなく、身分秩序・戦場

→もっと見る

  • アクセスカウンター
PAGE TOP ↑