ローマ人への20の質問 / 塩野七生(2)
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最終更新日:2024/09/10
読書
「ローマ人への20の質問 / 塩野七生」の続きです。
ローマもアテネと同じく都市国家から発展しました。
アテネは最後まで都市国家(ポリス)どまりでしたが、ローマは地中海を支配する大帝国になりました。
*
その差は、アテネは民主政がゆえに市民は平等であり、そのため他ポリスの出身者はアテネ市民にはなれなかったことにあります。平等であることに固執するため、異質な人を取り込もうとすることに勇気が持てなかった。
つまり、人口を増加するには自分たちがたくさんの子供を産まなければならなかった。
ローマはこれとは別に征服した別の民族を寛容に取り込んだのです。
ローマは民主政ではなく階級制社会をとっていました。しかしその階級の移行は比較的自由で、奴隷あるいは非征服民出身の貴族や元老院議員も多かったとか。
ローマ市内の7つの丘のうち、6つは異民族用の居留地となっていたほど。
ただし、移民をどんどん取り込んだことがローマが長く続いた理由ではないということは重要です。
中国の歴代王朝も国内の異民族の反乱で滅ぶことが多かったですから。
*
日本は移民にそれほど寛容ではないのでアテネ的なのでしょうか。
滅亡してしまうのでしょうか。
ただ、日本にもローマ的なものはあります。
そう、将棋です。取ったコマを今度はこちらの味方として使えるのですから。
マケドニアというアテネっぽい立ち位置なのに ローマ風を目指したアレクサンダー大王のような規格外な前例もあります。
日本はどちらとも距離を置いてゆっくりと中庸路線を進んでいけばいいと思いますね。
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