ローマ人への20の質問 / 塩野七生
公開日:
:
読書
塩野さんの本は『ロードス島攻防記』、『レパントの海戦』、『緋色のヴェネツィア 聖マルコ殺人事件』、『銀色のフィレンツェ メディチ家殺人事件』、『黄金のローマ 法王庁殺人事件』などの小説しか読んでいませんが、これは小説ではなくローマ帝国についての 20項目のテーマを 仮想ローマ人との対話という形式で語ったエッセイ。
*
私はランド・パワーであるローマ帝国が、シー・パワーの覇権国カルタゴをいかにして海戦でも凌駕して討ち滅ぼしたかという一説が面白かったです。
これを現在のランド・パワーであるチャイナやロシアが学んで、シー・パワーのアメリカ、日本に対抗してくると厄介だなあと思った次第。
なお、この方法(カラス)は今では全く使えませんがね。
*
ギリシアからローマに覇権が移ってからも、その後ローマでラテン語が成熟していっても、ローマはギリシア語を捨てずに 日常語や外交語として使い続けたというのは意外でした。
弱小国ならそういうことはたまにあるのですが、巨大帝国でですからね。
漢字を今でも使っている日本人には親近感が湧くかも。
入浴習慣(全裸で湯に浸かる)もローマ人と日本人とに共通する(というか他の外国人にはまず見られない)行為ですし、ひょっとして感性の一部が似通っているということになるでしょうか。
ローマ帝国にはあまり共感できませんが、ローマ人にはちょびっと共感できたりするのがおもしろいところ。
###
関連記事
-
-
財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済 (講談社+α新書) / 上念司
財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済 (講談社+α新書) 上念 司 講談社
-
-
会話の達人―たった一言で「この人は信頼できる」と思われる63の方法 / 中谷 彰宏
会話の達人―たった一言で「この人は信頼できる」と思われる63の方法 中谷 彰宏
-
-
フリーランス女医は見た 医者の稼ぎ方 / 筒井冨美 (2)
フリーランス女医は見た 医者の稼ぎ方 (光文社新書) 筒井 冨美 光文社 2
-
-
もっと言ってはいけない / 橘 玲 (3)
もっと言ってはいけない (新潮新書) posted with amazlet
-
-
鯛という名のマンボウ アナゴという名のウミヘビ 食品偽装の最前線 / 吾妻 博勝
鯛という名のマンボウ アナゴという名のウミヘビ 食品偽装の最前線――魚・肉・野菜
-
-
日本人はなぜ日本のことを知らないのか / 竹田恒泰
日本人はなぜ日本のことを知らないのか (PHP新書) 竹田 恒泰 PHP研究所
-
-
「文系バカ」が、日本をダメにする -なれど"数学バカ"が国難を救うか / 高橋洋一 (2)
「文系バカ」が、日本をダメにする -なれど”数学バカ”が国難を救うか (WAC
-
-
喰らう読書術 ~一番おもしろい本の読み方~ / 荒俣 宏
喰らう読書術 ~一番おもしろい本の読み方~ (ワニブックスPLUS新書) 荒俣
-
-
スピードサービス / 中谷 彰宏
スピードサービス―今を売る51の具体例 スピードサービス―今を売る51の具体例