薬が効かない
よく医師の処方した薬が効かないと心配される方がいます。
たとえば消炎鎮痛剤の話。
いろんな部位の痛みがあるときに処方されますが、同じように効くとは限りません。
100人のいろいろな年齢、いろいろな体格、いろいろな持病、いろいろな栄養状態の人の、様々な経過をとってきた、程度にピンからキリまで差のある(客観的尺度がない)痛みに対して、同じ容量の薬を出して、同じように効くと想像する方がおかしくないですか?
だいたい痛みの原因だっていろいろあるわけで。
痛みを抑えている間に自然に治る種類の病気だったらセーフですが、進行する種類の病気だったら痛みを抑えることばかりに神経が行くのは破滅の道です。
痛みの例からは離れますが、その疾患に劇的な効果があると言われるいわゆる「特効薬」の場合でも事情は同じで、100%効くとは限りません。
出された薬が効かなかった場合は薬を処方した医師(主治医)に相談しましょう。上に書いたことは先刻ご承知の主治医ですから、適切な処置を考えます。
この薬のこの量では効かなかったという事実と、症状が前と比べてどうなっているのかなどの経時的変化から次の最良の一手を打ってくれます。
医師でも別の医師にかかったら、ちょっと別のことを考えるかもしれません(処方された薬が普段自分の使わないものであれば、別の薬でまた一からやり直しです)。
ドクターショッピング(かかる医者をしょっちゅう変えること)をされると、臨床情報の蓄積がなされないので失われるもの(健康、時間、お金)が非常に大きいですよ。
###
関連記事
-
-
神経内科へ来る人びと / 米山 公啓
神経内科へ来る人びと (ちくま文庫) 米山 公啓 by G-Tool
-
-
「仕事何時に終わる?」への違和感
30年間ほど医師をやっており、同じくらいの間 結婚生活を送っているのですが、いまだにカミサンから
-
-
イーサイトのシステムの利点(2)
続きです。 イーサイトヘルスケアの遠隔画像診断システムのほかの利点を紹介します。 病診連携に
-
-
ポリクリのさしすせそ
* 料理の調味料での「さしすせそ」は有名ですが、医学生のポリクリにもあります。 指導医に質問
-
-
地方の中核病院の画像診断における医療崩壊
以前の記事(⇒ 画像診断管理加算バブルの崩壊の影響(2) 地方の中核病院の場合)では、
-
-
社内のコソ泥、院内のコソ泥
会社によくいるコソ泥 会社によくいるコソ泥。 会社内に会社の金を盗むドロボウ(善悪の判
-
-
遠隔画像診断事業 売上を3倍伸ばした私の方法
* タイトルはちょっと煽ってみました。^^; 答えはここにも⇒ 日中救急症例を受けられる体制
- PREV
- 沢穂希
- NEXT
- サングラス型ICビデオレコーダー