幻の浮世絵師歌川広景
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最終更新日:2026/10/28
美術
幕末の浮世絵界に突如現れ、わずか2年あまりで姿を消した謎の絵師 歌川広景(うたがわ ひろかげ)をご存じでしょうか。
幻の絵師と言えば東洲斎写楽が有名ですが、無名ながら広景もなかなか マボロシ~ すぎる人なんです。
- 活動期間の極端な短さ:
広景の活動が確認されているのは安政6年(1859年)正月〜文久元年(1861年)8月までのわずか2年8ヶ月のみです。
それ以前の経歴や、生没年、本名などは一切分かっていません。 - 突如とした失踪(廃業)の背景:
デビュー作にいきなり大作シリーズ(『江戸名所道戯尽』全50点)を手がけ人気を博しながらも、文久3年には尊王攘夷派の「皇国有志」なるグループから不穏者として糾弾(身の危険を脅かす警告)を受けています。
時勢を風刺した絵を描いたことや、外国人に城の絵を渡したことなどが彼らの逆鱗に触れたとされ、身の危険を感じて江戸から姿をくらました、あるいは絵師を廃業したと考えられています。
ということで、突如現れ突如消えた一発屋なんです。
歌川を名乗っているので、広重の一派だろうなということはほぼ確実。
それ以外はほとんど何もわかっていません。
*
ところが、まだ続きがあります。
広景が江戸から消えた後、時代が明治へと移り変わった明治3年(1870年)〜明治7年(1874年)にかけて、今度は「昇斎一景(しょうさい いっけい)」という絵師が短い期間活動しました。
この人は初代歌川広重の弟子とも言われていて、風景画集『東京名所四十八景』という広重風のまじめな絵も書いていますが、『東京名所三十六戯撰』という風景画と言うよりは風刺画を集めたシリーズも出しており、広景の『江戸名所道戯尽』とテイスト(おふざけ度)がよく似ています。
時が経ち 身の危険が少なくなったので、広景が「昔の名前で出ていま」せんが、昇斎一景という「ナントナクオシエタル」偽名を使って活動を始めたんだろうな、というふうに推理している人がたくさんいます。
これだけヒントがあれば、「頭は少年、体はオッサン」でも「真実は一つ」って言えそうです。
*
このあたりが面白いので、最近は「仮面の絵師 カゲ一族」の昇斎一景、歌川広景の作品をモチーフに浮世絵を制作しています。
非常に楽しいです。
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