*

恋する寄生虫―ヒトの怠けた性、ムシたちの可愛い性 / 藤田紘一郎

公開日: : 最終更新日:2014/02/26 医療, 読書

恋する寄生虫―ヒトの怠けた性、ムシたちの可愛い性 (講談社プラスアルファ文庫) 恋する寄生虫―ヒトの怠けた性、ムシたちの可愛い性 (講談社プラスアルファ文庫)

藤田 紘一郎

講談社 2001-08

売り上げランキング : 319732

Amazonで詳しく見る

by G-Tools

★★★☆☆

「笑うカイチュウ」で有名な藤田紘一郎先生の作品。

今回は寄生虫とヒトのセックスにまつわる裏話がいっぱい。

恋する寄生虫」だけではなく、ヒトの愛情物語も満載。「恋する帰省中」かも。

住血吸虫

本書の表紙は住血吸虫のイラストですね。

メスをオスが自分のくぼみに抱きかかえたまま生活するという愛情深い寄生虫。

ウェステルマン肺吸虫

ウェステルマン肺吸虫の幼虫は第1中間宿主のカワニナという貝の中で、ミラシジウム⇒スポロシスト⇒レジア⇒セルカリアというふうに幼虫の形態が変わっていき、第2中間宿主のサワガニにセルカリアが移り住みます

そこでメタセルカリアになるわけです。

このサワガニが最終宿主(ヒト、ネコ、タヌキなどの小哺乳類)に食べられてそこで親になるのです。

以上は、医師なら聞いたことありますよね。

私がいつも不思議に思っていたのは・・・なんでカワニナの中でそんだけ”脱皮”しないといけないのかなということ。

1人でカワニナの世界に入って、そこで経験値を積んで何度か転職して、”飛空艇”を手に入れてカニの世界に行き、そこで最終進化をしたが、その世界が崩壊し、すんでのところで脱出して、新しい世界で姫と結ばれる・・・・

なんて、ファイナルファンタジーのような壮大なリスキーかつスリリングな一生を想像していたのです。

なんてつらい一生なんだ。試練が多すぎる。運良くサワガニにたどりついてもそこで体内に入れないと終わりじゃないか。最終宿主に行っても、そこに姫がいないと子孫を残せないじゃないか~ よくこんな過酷なシステムで今まで生き残ってきたなあ・・・

というふうに思っていたのですが、この本の p80 に

その虫卵の中に生じた 1匹のミラシジウムがカワニナの中で10匹前後のスポロシストになり、1匹のスポロシストは10匹のレジアになり、1匹のレジアは20匹のセルカリアになる。

つまり、1匹のミラシジウムがカワニナの中で 2000匹のセルカリアになる。

というふうに書いてあり(どっひゃあぁ~)、長年の疑問が氷塊。

  1. 幼虫だから増えないと思っていた
  2. 昆虫の脱皮のようなものだと思っていた

という思いこみが大誤解の原因でした。

運任せではなく、新天地に飛び出す前に数を膨大に増やして、「へたな鉄砲も数うちゃ当たる」ような万全(アバウトながら効果的)な準備を行うための超合理的なシステムだったんですね。

マンソン孤虫

じつはこの一つ前の記事「マンソン孤虫のパパはバカボンのパパなのだ 」はこの本を今朝の電車の中で読んで、事務所に着くまで歩いていた最中に考えました。

この本にはマンソン孤虫は出てこないんだけどね。

【関連記事】

マンソン孤虫のパパはバカボンのパパなのだ
清潔はビョーキだ / 藤田 紘一郎
清潔はビョーキだ(2)
謎の感染症が人類を襲う
踊る腹のムシ 藤田紘一郎

###

関連記事

FX ほんとうに稼いでいるトレーダーの解体新書 / 杉田 勝

FX ほんとうに稼いでいるトレーダーの解体新書 杉田 勝 青月社 2009-

記事を読む

逆検定 中国歴史教科書―中国人に教えてあげたい本当の中国史 / 井沢元彦 金文学

逆検定 中国歴史教科書―中国人に教えてあげたい本当の中国史 (祥伝社黄金文庫)

記事を読む

モザイク・ラセン / 萩尾望都

★★★☆☆ これも萩尾望都大センセイの短編集。1982年発表。 異世界 SF なので

記事を読む

ロバート キヨサキの『金持ち父さん 貧乏父さん』 (2)

* ⇒ http://yiwasaki.com/wp/?p=7001 土曜日にたいちん先生と

記事を読む

忍びの滋賀: いつも京都の日陰で / 姫野カオルコ

★★★☆☆ 滋賀県出身の小説家姫野カオルコさん(現在は東京在住)の滋賀県自虐ネタ。

記事を読む

世界ビジネスジョーク集 / おおば ともみつ

世界ビジネスジョーク集 (中公新書ラクレ) おおば ともみつ 中央公論新社

記事を読む

攘夷と護憲[歴史比較の日本原論] / 井沢元彦

攘夷と護憲 井沢 元彦 徳間書店 2004-03-20 売り上げランキング :

記事を読む

日本は世界1位の金属資源大国 (講談社+α新書) / 平沼 光

日本は世界1位の金属資源大国 (講談社+α新書) 平沼 光 講談社 2011-03

記事を読む

世界史が面白くなる 首都誕生の謎 / 八幡和郎

★★★☆☆ 世界の主要国の首都とその町に関する歴史や逸話を解説しています。ついでにグルメガ

記事を読む

入門 考える技術・書く技術 / 山崎康司

入門 考える技術・書く技術 山崎 康司 ダイヤモンド社 2011-04-08

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

板間クモ膜瘤

よく、クモ膜顆粒と混同されている板間クモ膜瘤についての話です。

日産セレナ e-Power

息子が車を買い替えるとか。 今まで乗った Honda のフリードから

ママ投資家が育休中に1億貯めた株式投資 / ちょる子

★★★☆☆ 育休中にスマホで1億円を稼いだママ投資家として有

AI絵師の締め出し

最近、イラスト投稿サイトにおける AI 作成物の禁止が話題になっている

日本史で遊ぶ

ChatGPT などの AI に こそこそと「プロンプト」なる呪文(日

→もっと見る

  • 2026年7月
     12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    2728293031  
  • アクセスカウンター
PAGE TOP ↑