恋する寄生虫―ヒトの怠けた性、ムシたちの可愛い性 / 藤田紘一郎
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恋する寄生虫―ヒトの怠けた性、ムシたちの可愛い性 (講談社プラスアルファ文庫)
藤田 紘一郎 講談社 2001-08 売り上げランキング : 319732 by G-Tools |
★★★☆☆
「笑うカイチュウ」で有名な藤田紘一郎先生の作品。
今回は寄生虫とヒトのセックスにまつわる裏話がいっぱい。
「恋する寄生虫」だけではなく、ヒトの愛情物語も満載。「恋する帰省中」かも。
住血吸虫
本書の表紙は住血吸虫のイラストですね。
メスをオスが自分のくぼみに抱きかかえたまま生活するという愛情深い寄生虫。
ウェステルマン肺吸虫
ウェステルマン肺吸虫の幼虫は第1中間宿主のカワニナという貝の中で、ミラシジウム⇒スポロシスト⇒レジア⇒セルカリアというふうに幼虫の形態が変わっていき、第2中間宿主のサワガニにセルカリアが移り住みます。
そこでメタセルカリアになるわけです。
このサワガニが最終宿主(ヒト、ネコ、タヌキなどの小哺乳類)に食べられてそこで親になるのです。
以上は、医師なら聞いたことありますよね。
私がいつも不思議に思っていたのは・・・なんでカワニナの中でそんだけ”脱皮”しないといけないのかなということ。
1人でカワニナの世界に入って、そこで経験値を積んで何度か転職して、”飛空艇”を手に入れてカニの世界に行き、そこで最終進化をしたが、その世界が崩壊し、すんでのところで脱出して、新しい世界で姫と結ばれる・・・・
なんて、ファイナルファンタジーのような壮大なリスキーかつスリリングな一生を想像していたのです。
なんてつらい一生なんだ。試練が多すぎる。運良くサワガニにたどりついてもそこで体内に入れないと終わりじゃないか。最終宿主に行っても、そこに姫がいないと子孫を残せないじゃないか~ よくこんな過酷なシステムで今まで生き残ってきたなあ・・・
というふうに思っていたのですが、この本の p80 に
その虫卵の中に生じた 1匹のミラシジウムがカワニナの中で10匹前後のスポロシストになり、1匹のスポロシストは10匹のレジアになり、1匹のレジアは20匹のセルカリアになる。
つまり、1匹のミラシジウムがカワニナの中で 2000匹のセルカリアになる。
というふうに書いてあり(どっひゃあぁ~)、長年の疑問が氷塊。
- 幼虫だから増えないと思っていた
- 昆虫の脱皮のようなものだと思っていた
という思いこみが大誤解の原因でした。
運任せではなく、新天地に飛び出す前に数を膨大に増やして、「へたな鉄砲も数うちゃ当たる」ような万全(アバウトながら効果的)な準備を行うための超合理的なシステムだったんですね。
マンソン孤虫
じつはこの一つ前の記事「マンソン孤虫のパパはバカボンのパパなのだ 」はこの本を今朝の電車の中で読んで、事務所に着くまで歩いていた最中に考えました。
この本にはマンソン孤虫は出てこないんだけどね。
*
【関連記事】
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