日本人はなぜ「小さないのち」に感動するのか / 呉善花
公開日:
:
読書
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日本人はなぜ「小さないのち」に感動するのか (WAC BUNKO)
呉善花 ワック 2014-03-14 売り上げランキング : 268301 by G-Tools |
★★★★☆(そうだったのか!日本人って!)
韓国済州島生まれの呉善花(オ・ソンファ)さんの本。
彼女の視点は鋭いです。
日本人や在日韓国人では気づきもしない日本人に関する問題点が今回も満載。
この本の内容をちょっとだけ紹介します。
柱立ち
日本以外の建築は「壁立ち」であるのに対して、日本の建築は柱立ちであり、これは縄文時代から変わらないと著者は指摘。
最近は2×4(ツーバイフォー)などの 「壁立ち」建築も増えてきましたが。
地震の多い日本では柱立ちで震動を受け流すことが必要なので、これだけ発展継続してきたのでしょう。
壁立ち建築も日本では「はすかい」を入れたり、ゴムやバネの力を借りて強化していますけど。
自然との一体化
日本人は受け身の言葉をよく用います。
他国民は努力をしなかったり強力な他者の行動に抗しきれず成り行きまかせといった「消極的な」受け身志向の言葉を使うが、日本は積極的に努力をしたうえで成り行きを受け入れようとする「能動的な」受け身になっていると著者はいいます。
日本人は主体的な自分の働きと自然の働きとが対立(矛盾)しないものと感じているように思えるといいます。
「自ら」と「自ずから」の同一視という視点はさすがです。
衰えいくものへの儚さ、美しさを感じる独特の美意識
他国民は華やかなものに惹かれるが、日本人は「わび」「さび」という独特の美意識を持っています。
それは仏教の「もののあはれ」が元になっていると指摘されています。
そうだったんですか。そうかもしれませんね!
母系社会から男系社会への変遷と天皇制
男系である天皇家がヤマトの母系社会に入り込み、母系制をどうやって変革していったかという大胆な推論をなさっています。
100%賛成はできないものの、 面白い着想です。
*
呉善花 さんの取り上げる問題点、それに切り込む視点はいずれも日本人ではなかなか気がつかないものです。
非常に面白いです。
アサヒ信者(早く亡命すればいいのに)からよく非難される、韓国バッシングの要素は今回は少ないので、安心して読めます。
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