肝機能が上昇?
公開日:
:
医療
久々の医療ネタです。
よく画像診断の依頼書の検査目的の欄に主治医が「肝機能が上昇」と書いてくれていますが、「肝機能が上昇」では肝臓がよく働いているということですから健康です。検査の目的にはなりませんね。
「ええこっちゃ! 検査する必要なんてないやん!」とつっこんでおります。
肝機能が上昇しているわけではなく
「肝機能が上昇」ではなく、「肝機能検査での血中酵素値が上昇」が正しいですね。
これを縮めて「肝機能が上昇」ということになったのでしょう。
肝臓がいろいろな原因で破壊された場合には肝細胞に含まれている酵素が血中に放出されます。それで血液検査をすれば酵素値が上昇しているわけです。
肝臓の破壊が高度ですと、肝機能は低下します。上昇とは真逆ですね。
誰が間違えているのか
人間ドックの受診者もこれをよく口にします。
ということは説明している医師が間違って広めているってことでしょう。
ということで、医師のみなさん、間違った言葉を世間に広めないようご注意くださいませ。
###
関連記事
-
両刃のメス ある外科医のカルテ (朝日文庫) / 大鐘稔彦
両刃のメス ある外科医のカルテ (朝日文庫) 大鐘 稔彦 朝日新聞出版 2010
-
個人ベースの遠隔画像診断
以前、別のブログ「遠隔画像診断てれらじ庵(独立企業ブログ)」で、 画像診断医と顧客病院側の双方
-
ワクチン、ワクチンと言うけれど
ワクチンは治療薬ではありません PCR 検査をすれば新型コロナかどうか 100%わかると考えている
-
個人ベースの遠隔画像診断[2] / 専用システムを使う場合
「個人ベースの遠隔画像診断」という記事で、 お金のかからない遠隔画像診断法をご紹介しました。
-
橋中心髄鞘崩壊症 橋中央ミエリン溶解症 橋中心髄鞘崩解症
* 昨日 K さんという知らない方からメールをいただき、「(お子さんが)橋中心髄しょう崩落症と
-
医者が病院から逃げ出すとき / 米山 公啓
医者が病院から逃げ出すとき (ちくま文庫) 米山 公啓 筑摩書房 2008-
-
画像診断管理加算バブルの崩壊の影響(3)
前回はこちら⇒ 画像診断管理加算バブルの崩壊の影響(2) 地方の中核病院の場合 画像診断管理加