読影レポートの重要性 / CT,MRI を有する単科のクリニックの場合(2)
公開日:
:
最終更新日:2016/10/08
画像診断
前回の記事「読影レポートの重要性 / CT,MRI を有する単科のクリニックの場合」 の続きです。
CT や MRI をお持ちのクリニックは結構あると思いますが、他院からの紹介を受け付けていないところも多いです。
すると稼働率は悪いし、地域への貢献度も上がらない。
自分の患者からも「先生、今日はお腹が痛いんです。CT 撮ってなぁ」と言われても、もし腹部が専門外なら読影ができないので「大きな病院に行って撮ってもらって」としか言えません。
普通のクリニックを「地域の画像診断センター」に
ところが、遠隔画像診断を利用することで、普通のクリニックが「地域の画像診断センター」に簡単に生まれ変わるのです。
私が使っているイーサイトのシステムなど、インターネット回線を1つ増やすだけで導入できますし、読影医を限定しないので便利です。
都市でもそうですが、地方などでは大きな病院にしか CT、MRI のない地域があります。
私の知っている新潟県の地域中核病院はそういうところに建っていますが、MRI は 15年以上前の永久磁石式です。経営が苦しいのでなかなか更新もままなりません。
たまに読影を依頼されますが、これで撮った MRCP などほんとうにヒサンです。精査どころかかえって診断を邪魔するような結果に。玉虫色の所見を列記したあと、「CT でご判断ください」と書く始末。
こういう地域こそ、周辺のクリニックがまともな MRI を入れて遠隔画像診断を導入すれば、地域中核病院の負担も減ります。
周辺のクリニックからほんとうに地域中核病院に紹介するべき患者をそこでフィルターにかけて判別できますし、逆に地域中核病院から MRI 撮影の依頼をもらうこともできるでしょう。
MRI なら技師さんを雇うのがややネックですが、最近の CT なら医師でも撮れます。
もしそういう構想がおありでしたら ご相談ください。>ご相談用フォーム
###
関連記事
-
-
放射線科医の定年退職
* 診断をやっている放射線科医の話ですけど、ぼちぼち定年退職される方も多いでしょう。 でも一
-
-
とあるファイル転送型遠隔画像診断システムの欠点
* だいたい仕事が終わったのに帰れません。 高槻遠隔画像診断センターにしかない遠隔画像診断シ
-
-
個人ベースの遠隔画像診断[2] / 専用システムを使う場合
「個人ベースの遠隔画像診断」という記事で、 お金のかからない遠隔画像診断法をご紹介しました。
-
-
『遠隔画像診断起業への道』メルマガテスト配信開始予告(2)
しれっとメルマガ名が変わっていますが、『遠隔画像診断起業への道』というメルマガは テスト配信をぼちぼ
-
-
ばかげた遠隔画像診断システム(続き)
* 前回書いた遠隔画像診断システムですが、使用料金がかなり安いので結構導入されている方が多いも
-
-
遠隔画像診断の起業の心得その3
勤務医根性の根絶は意外と難しいです。 というか企業家精神を養うほうが簡単
-
-
CT/MRI 所見 300件って
* だいぶ前にも書いたかもしれません。 以前の話なので、現状とはかなりかけ離れていると思いま
-
-
読影 画像診断 ウォーリーをさがせ
* 昨日、来客があって、「画像診断医師はどうやって診断しているんですか」と訊かれて、 「よく
-
-
PET/CT検査の保険適応について
平成22年4月より、PET/CT(ポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影)の適用疾患が変