*

三浦半島記 街道をゆく 42 / 司馬遼太郎 (2)

公開日: : 読書

街道をゆく (42) (朝日文庫) 街道をゆく (42) (朝日文庫)
司馬 遼太郎
朝日新聞社 1997-12-01
売り上げランキング : 134274
Amazonで詳しく見る by G-Tools

★★★☆☆

昨日の記事の続きです。

ミッドウェー海戦

昭和17年6月のミッドウェー海戦について書いてあります。

ミッドウェーとは中部太平洋にある2つのサンゴ礁(環礁)で、アメリカが基地をつくっていました。今の南シナ海で中国がやっているのと似たことをやっていたわけです(だいぶ違う点もあるが)。

凡将 山本五十六はあまり戦略的意味のないここを攻めることにしましたが、その情報はアメリカに筒抜け。

なにせ呉軍港の床屋さんまで「今度はミッドウェーだそうですね」と軍人の客と話していたというわけで、アメリカは暗号を解読するまでもなく(すでに暗号は解読されていたが)事前に知っていたのです。

日本軍は索敵行動もせずに(相手の戦力がどこにどれくらい展開しているかも知らずに)長躯ミッドウェーに向かい大敗しました。

空母が艦載機を吐き出す途中、上空から急降下してきた戦闘機からの爆弾の直撃を受け、艦載機の燃料にも引火して撃沈。

制空権を支配できずに残りの戦艦も空中からの攻撃で大破。

実際の戦力は日本の方が3倍近く上回っていたのに、何も知らないままノコノコと飛んで火に入る夏の虫。

なぜこんなに迂闊だったかというと、山本五十六が凡将であったこと以外に、日本国民全員が浮かれていたということが大きいのではないでしょうか。

軍人が浮かれるのは弁護のしようがありませんが、国民が浮かれていたのは大部分がマスコミ(朝日新聞など)の責任と言えますね。

ちょっとでも弱気を見せると国民から攻撃されるので、軍も威勢のいいことを言い、一発大勝利を狙うようになるわけです(まあ、今の韓国大統領みたいな立場でしょうか)。

この戦いで大敗してようやく兜の緒を締めるわけですが、艦隊の多くを失ってしまったため、あとは必敗の道を行くしかなかったのですね。

まあ、最初の真珠湾攻撃も作戦的には愚の骨頂で、フィリピンのアメリカ艦隊を南シナ海で迎え撃つのが最良のシナリオでしたね。

あるいはウラジオストクを攻撃して占拠または海上封鎖するかくらいでよかったかも。

###

関連記事

今日からFIRE! おけいどん式 40代でも遅くない退職準備&資産形成術 / 桶井 道(2)

 ★★★★☆ 読み終えました。 著者は年収 400万円のサラリーマンで、47歳で

記事を読む

なぜあの人は楽しみながら儲かるのか / 中谷 彰宏

なぜあの人は楽しみながら儲かるのか―好きなことを仕事にする52の方法 (ぶんか社

記事を読む

日本の戦時下ジョーク集 満州事変・日中戦争篇 / 早坂 隆

日本の戦時下ジョーク集 満州事変・日中戦争篇 (中公新書ラクレ) 早坂 隆 中

記事を読む

小次郎講師流 テクニカル指標を計算式から学び、その本質に迫る 真・チャート分析大全

小次郎講師流 テクニカル指標を計算式から学び、その本質に迫る 真・チャート分析大

記事を読む

新選組 手塚治虫名作集 (11)

新選組 手塚治虫名作集 (11) (手塚治虫名作集) (集英社文庫) 手

記事を読む

マニュアルにないサービスが成功する / 中谷 彰宏

マニュアルにないサービスが成功する (広済堂文庫) 中谷 彰宏 廣済堂出版

記事を読む

脳科学マーケティング100の心理技術 / ロジャー・ドゥーリー (2)

脳科学マーケティング100の心理技術―顧客の購買欲求を生み出す脳と心の科学 ロ

記事を読む

御隠居忍法 – 唐船番 / 高橋 義夫

御隠居忍法 - 唐船番 (中公文庫) 高橋 義夫 中央公論新社 200

記事を読む

陰謀の日本中世史 / 呉座勇一 (2)

「陰謀の日本中世史 / 呉座勇一 」の続きですが、同じ著者の手になる『応仁の乱』では載っていなかった

記事を読む

陰謀の日本中世史 / 呉座勇一 (3)

「陰謀の日本中世史 / 呉座勇一 (2)」の続きです。 本能寺の変のあとの関が原の合戦も、司馬

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

古寺歩きのツボ / 伊沢元彦

★★★☆☆ 古寺にスポットを当てて仏教を解説してくれています

【FX】Rollover Miracle Greedy という EA

Rollover Miracle Greedy という EA がありま

【FX】2024年4月第4週スタート

FX トレードは 自動売買プログラムを入れ替えて、今月(2024年4月

【万年筆】ダイソー万年筆 6853

一昨日、大津京のダイソーで初めて見つけました。 これは見

終身旅行者 Permanent Traveler / 木村昭二

★★★☆☆ 漫画(「マンガ 終身旅行者 Permanent

→もっと見る

  • アクセスカウンター
PAGE TOP ↑