街道をゆく〈26〉嵯峨散歩、仙台・石巻 (朝日文庫) / 司馬 遼太郎 (2)
公開日:
:
読書
街道をゆく〈26〉嵯峨散歩、仙台・石巻 (朝日文庫) 司馬 遼太郎 朝日新聞社 1990-06-01 売り上げランキング : 92709 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★☆☆
「街道をゆく」シリーズの第26巻の解説の続き。
前回の記事「街道をゆく〈26〉嵯峨散歩、仙台・石巻 (朝日文庫) / 司馬 遼太郎」は嵯峨のお話だけでしたが、今回は後半の仙台、石巻の話。
仙台は政宗が秀吉に臣従して転封された土地ですが、それまでは北上川(流れは南下しているのに北上川)は牡鹿半島の北側の東岸で太平洋に灌いでいたのです。
それを南の石巻(牡鹿半島の西の南岸)に灌ぐように川村孫兵衛に命じたのです。
これにより仙台が豊かな穀倉地になり、余った米を江戸で売りさばいて大儲けできたのみならず、石巻という港を手に入れることができたのです。
ただ、米が楽に得られた恵まれた土地になったために、それ以外の諸藩のように米以外の産業が発達しなかったのが惜しまれます。
戦後に産まれた牛タン以外に仙台の特産品ってあまり聞かないですもんね。
米は余って売るほど穫れましたが、米は商品でもあり貨幣の代わりでもあるということで、江戸時代中期以降は他の農産物がインフレで物価が上がるときにも逆に買い叩かれてしまうという憂き目にあったのですね。
政宗が偉大すぎたのと米が穫れすぎたことにアグラをかいてしまい、明治維新にも乗り遅れたと。
どこかの企業みたいですね。
関連記事
###
関連記事
-
代案を出せ! / 勝谷誠彦
代案を出せ! 勝谷 誠彦 扶桑社 2009-07-28 売り上げランキング :
-
「漢字廃止」で韓国に何が起きたか / 呉 善花
★★★☆☆ 呉善花(オ・ソンファ)さんの本。 韓国での漢字廃止が引き起こした悲惨
-
親より稼ぐネオニート / 今 一生
親より稼ぐネオニート 親より稼ぐネオニート―「脱・雇用」時代の若者たち (扶桑
-
仕事消滅 AIの時代を生き抜くために、いま私たちにできること (講談社+α新書) / 鈴木貴博
仕事消滅 AIの時代を生き抜くために、いま私たちにできること (講談社+α新書)
-
「年100回配当」投資術 / マーク・リクテンフェルド
★★★★☆ まだ読み始めたばっかりですが、すでに何度か目からウロコが出てきました。
-
貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える / アビジット・V・バナジー&エステル・デュフロ(3)
以前の記事「貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える / アビジット・V・バナジー&エ
-
はるかなる朝 / 星野 之宣
はるかなる朝 (MF文庫) 星野 之宣 メディアファクトリー 2005-
-
雑談力 / 百田尚樹
★★★☆☆ どうすれば雑談の力を鍛えることができるかというノウハウ本なのですが、「こんなの
-
恋する寄生虫―ヒトの怠けた性、ムシたちの可愛い性 / 藤田紘一郎
恋する寄生虫―ヒトの怠けた性、ムシたちの可愛い性 (講談社プラスアルファ文庫)
-
アフィリエイト・マーケティング実践マニュアル / 和田 亜希子
アフィリエイト・マーケティング実践マニュアル 和田 亜希子 翔泳社 2005