フッ化水素とフッ化ナトリウム

最近、韓国へのフッ化水素の輸出規制問題が TV でも流されるようになりました。

輸出規制というか単に輸出審査を厳格にしただけで、きちんと書類を揃えれば審査して問題なければ輸出許可が下りるだけですね。コイズミ政権以前にやっていたことなのでそんなに騒ぐのは審査を通りそうにないことをやっているのかと疑いたくなりますね。

さて、ネットの書き込みで変な書き込みがありまして、「フッ化ナトリウムはフッ化水素と違ってサリンの原料にはならない」というものです。

フッ化水素は工業的には蛍石(フッ化カルシウム)に濃硫酸を加えて熱して作ります。

当然、フッ化ナトリウムやフッ化カリウムなどのフッ化塩も濃硫酸を加えればフッ化水素ができます

逆にフッ化水素に水酸化ナトリウムを加えればフッ化ナトリウムになります

何のことはない、簡単な酸とアルカリの反応ですね。濃硫酸も水酸化ナトリウムも世界のどの国でも入手可能です。

理系の人はフッ化水素とフッ化ナトリウムと聞くだけで両者は簡単に変換できると思うはずで、「フッ化ナトリウムとフッ化水素は全くの別物」と思うのは文系の人でしょうか

もう一つオモシロイ書き込みがありまして、「フッ化水素の高濃度と低濃度のものは違う。高濃度のものは毒ガスの原料にはならない」というものです。

まず高濃度でなく高純度ですね。

99.9999% と 99.9%なんてそんなに変わらないと思ってらっしゃる人もいますが、不純物は 0.0001 と 0.1 で 1000倍も違うのです。

半導体生産では最後の洗浄にも使うので不純物が 1000倍も多い”汚い”液で洗えば、汚れの残ったチップがたくさんできます。つまり、不良品率がグンと上昇するのです。

「半導体生産には高純度フッ化水素が必要」という意味は、不純物が限りなくゼロに近いものが必要ということです。

毒ガスなどに使用するものはもっと低純度のものでもよく、半導体生産で使った後の排液でもなんとか作れるのではないでしょうか。毒ガスだとそんなに精製する必要はないわけでしょ。

ということで「高濃度のフッ化水素は毒ガスの原料にはならない」は間違いですね。「高純度のフッ化水素は毒ガスの原料にはもったいない」というのが実情でしょう。

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