辷り症 向き
*
じつに嘆かわしいことに脊椎の辷り症を正しく診断できない放射線科医がいます。
その初歩の初歩である 辷りの方向(向き)すら間違える 始末。
*

こういうビルがあるとします。向かって左が正面。
*

こうなったらどうでしょう?
正面の方に倒れているのだから、「このビルは前に倒れている」と誰でも言いますよね。
*

ではこうならどう? 「このビルは前にすべっている」と言いますよね。
「ビルの下半分が後ろにすべっている」 と言うへそ曲がりはいませんよね。 よね? ヨネ?
*

ではこれは?
人間は直立します。
つまりビルと同じで、もちろん土台である下方(尾側)を基準にするのです。
ということで、L3 が前方に辷り、L4 が後方に辷っています。 でしょ?
*
嘆かわしいことにこれを、「L4 が(L3に対して)後ろに辷り、L5 が(L4に対して)前に辷っている」と書く放射線科医がいるのです。
こんな「当たり前の約束事」さえ知らないで所見を書くと、相手が整形外科医であれば「このシロートが!」と激怒なさると思います。
あなたは前後を間違えたりとかの赤恥はさらしておられないでしょうね。
###
関連記事
-
-
イーサイトに似たクラウド型遠隔画像診断システム
* 世の中、物わかりの悪い人や文句ばかり言っている人がいないと、改善されません。 世界は
-
-
後方辷りについての補足
椎体辷り症についておさらい 辷り症には 前方辷り と 後方辷り がある 前方辷りには
-
-
使いにくい画像診断システム(続き)
* 現在、遠隔画像診断システムを6つ使用している私ですが、他にも簡易システムやら非常勤読影バイ
-
-
遠隔画像診断の起業 / 営業について
遠隔画像診断の起業については簡単な HP を作ったりしていますが、そこでは大事な「営業」について
-
-
遠隔画像診断のビジネスモデル(5)
ということで、ようやく遠隔画像診断サービス会社のビジネスモデルの話になりました。 * 遠
-
-
だめな画像診断システム
ま、だめな条件はいっぱいあるのですが、私が重視しているのは 「過去の画像が検索することなしにすぐ
-
-
遠隔画像診断の起業(システム選択)
* 遠隔画像診断で起業するためには使うシステムを決めておく方がいいです。 病院主体の場合や下
-
-
画像診断管理加算バブルの崩壊の影響
画像診断管理加算の施設基準の厳格化 今回の改訂で他の施設に読影を依頼している施設は、画像診断管
-
-
胸部単純X線写真での異常影
いつの写真か全く覚えていませんが、かなり年配の女性。 「検診の胸部単純X線写真で異常を指摘された」






