能動的読書
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先日、「TVドラマの楽しみ方」という記事を書いたら、友人から「能動的読書もどんどん忘れられていくのかな」という意味のレスポンスをいただきました。
能動的読書にはいろんな定義があるでしょうが、
本に問いかけ、内容を批判的に考えて、自分の頭で考えながら読むこと
というのが一般的でしょうか。
その本の言うことを鵜呑みにしないで、他の本や他のメディアの情報と比較しながら、あるいは書いてあることの根拠を調べながら、読んでいくのです。
一般書、ハウツー本、ビジネス書などはこの方法で読めばいいですし、エッセイ、小説などもこれが適応できます。
灘中の橋本武先生が中勘助の小説「銀の匙」を使って授業をしていたことが最近メディアで取り上げられていますが、小説でさえ、ウラをとり、ウラを読み、行間を読めば、総合的な読解力、理解力が養える(つまり知力が鍛えられる)ということです。
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教科書もただ単に暗記するべきものではなく、本来こうやって読むべきものです。
認定された学校教科書でさえ、内容に微妙な違いがありますから。
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私の話で恐縮ですが、医学書でも教科書とか定本とか呼ばれるものがあります。
複数の定本を読んで、両者の相違点をチェックするとか、十分書けなかったところを類推するとかいうこともかなり意味があります。
毎月の医学雑誌もそうやって全編目を通したいと思ってやっております(最近仕事が激増したため滞っておりますが)。
- 「ここは今までとは違うな。画期的な論文や分類が発表されたのかな?」とか
- 「ここは苦しい表現で逃げているが、あの例外があるからかな?」とか
- 「こういうケースがあることの可能性を考慮する必要があるって書いてあるが、実際の臨床では可能性はトップ100にも入らないから、考慮したら時間と手間と医療費の無駄だよね~」とか
いろいろ考えながら読まなきゃだめってことです。
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のんべんだらりと小説を読むのが好き? ・・・それならマンガと大してかわりません。
フォトリーディングとか速読ではなかなか知識が「深化」しません。ごく表層の知識を浅く広く知るためには非常に有効でしょうが。
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