*

粘液栓 mucoid impaction について

公開日: : 医療, 画像診断

ときどき他の人のCT所見で、気管支内にたまった液状物を「粘液栓」と書いておられるのを見ることがあります。

mucoid impaction の字義

粘液栓とは mucoid impaction のことでしょう。

  1. impaction は「(ギュウギュウに)詰め込むこと」という意味
  2. mucoid は「粘液様の」ということ

 

気管支内に単に液がたまっている状態 (mucous deposition? ) ではないですね。

mucoid impaction でない気管支内液貯留

食物塊を誤嚥したような場合は ”mucoid” の定義に反しますね。

あらかじめなにかの原因でできていた拡張気管支内に粘液がたまっても、それは “impaction” じゃないですね。

mucoid impaction の病態

mucoid impaction と言えるのは、たまった粘液の圧力によって気管支が拡張してしまうようなときに限られます。

つまり、「原因=粘液貯留、結果=気管支拡張」であって、「原因=気管支拡張、結果=粘液貯留」ではない。

気管支閉塞が大元の原因

多くは、気管支閉塞という第一の原因が その末梢の気管支内への粘液貯留の原因として存在し、それで粘液が貯留し、そのたまった圧力で気管支拡張という結果を引き起こしたものです。

たとえば、

  • 先天性
  • 気管支内腔の腫瘍(肺癌・気管支腺腫等)
  • 気管支外方からの圧迫(リンパ節腫大、大動脈瘤、心肥大、縦隔腫瘍)

 

気管支閉塞を欠くものもある

例外として、気管支閉塞がない場合があります。

つまり、粘液の粘稠度がバカ高ければ気管支閉塞がなくても生じるのです。

これは、ABPA、cystic fibrosis など。

膵の IPMN で主膵管が拡張するのと似たような機序でしょうか。

うーん、今回はオチはありません。

 

###

関連記事

画像診断管理加算バブルの崩壊の影響(3)

前回はこちら⇒ 画像診断管理加算バブルの崩壊の影響(2) 地方の中核病院の場合 画像診断管理加

記事を読む

画像診断雑記の更新 8例目

* * * 画像診断雑記、8例目をアップしました。 まあ、よくあるネタです。 興味がある人は

記事を読む

医局と系列病院と人間爆弾

* 病院の勤務医の話ですが、ちょっとした病院(大きな病院、公立病院など)であればどこかの大学医

記事を読む

脳・脊髄の連想画像診断−画像に見えないものを診る / 森 墾

脳・脊髄の連想画像診断−画像に見えないものを診る 森 墾 メジカルビュ

記事を読む

先入観なしで

ずいぶん昔のことを思い出しました。 私自身のことではありませんが、先輩がある病院に CT読影の

記事を読む

医療崩壊

2011.3.6(日)  一昨日にも書きましたが、日本の医療の先はまっ暗なのです。  この

記事を読む

遠隔画像診断 理想の顧客

私のところの遠隔画像診断では中小病院を主なターゲットにしています。 一人医長など常勤放射線科医

記事を読む

画像診断を考える・新版 今春発売

* 名著『画像診断を考える』ですが、編者の下野太郎先生 からうれしい連絡をいただきました。

記事を読む

エヒノコッカス(エキノコックス)という名前

エキノコックスという寄生虫がいます。 非常におもしろい寄生虫で、親は条虫でサナダムシの仲間(エ

記事を読む

胸部X線写真の話

もう時効だと思うので書きますが、以前に書いたことがあったかも。 又聞きなので、詳しいことは知りませ

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

封印された中国近現代史 / 宮脇淳子

★★★☆☆ 亡き岡田英弘氏の妻である 宮脇淳子先生の著書。

三田市民病院の移転問題について

本日夕方 TV で三田市民病院の移転問題を扱っていました。 初耳

富嶽三十六景 沼津

こちらの作品ですが、「富嶽三十六景 沼津」とあります。葛飾北斎

【AI】ノイズレスリサーチ

ノイズレスリサーチという AI での検索方法があるというお話。

AI を助言者(メンター)にする

漠然と AI と話していると、一般的な表面的な話に陥りがちです。

→もっと見る

  • 2026年8月
     12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
    31  
  • アクセスカウンター
PAGE TOP ↑