現在書いている原稿の一部(下書きその1)
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依頼原稿の下書きです。まだまだみかん星、いや未完成。
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遠隔画像診断サービス 成功の秘訣
■要旨
遠隔画像診断サービスの組織を立ち上げることは簡単である。失敗しないで行うことも容易である。あきらめなければほとんど成功するが、問題は成功するのにかかる時間が読めないことで、それをいかに短縮できるかがカギになる。
■はじめに
著者が遠隔画像診断に関わるようになってから約15年が経過した。当初は知り合いの施設からCT画像をCD-R やフィルムに焼いたものを郵送してもらって行っていた。その後遠隔画像診断プロバイダに参加して専用システムでの遠隔画像診断を経験した。 その後独立して、みずから遠隔画像診断プロバイダを立ち上げた。現在では個人で担当している施設を含めると20以上の施設の診断を担当している。 当時は困難もいろいろ経験したが、現在はそのような苦労をする必要はほとんどなく、簡単に遠隔画像診断プロバイダを立ち上げることができるように環境が整備されたと思う。
総論
■遠隔画像診断の3要素 1、システム 2、顧客 3、あなた(読影医) 顧客病院と読影医と、両者を結びつけるシステムがあるという簡単な構図だが、それぞれに失敗の要因が潜んでいる。
■「システム」での失敗要因 クラウド型システムを選ばないという選択ミスが最大のものである。 クラウド型と非クラウド型(ファイル転送型)との違いを表1に挙げる。 クラウド型は読影医がシステムを所有する必要がないので、無料で端末を増やせる。新しい読影医を無限に無料で増やせる。全く仕事をしない読影医がいても赤字にはならない。 非クラウド型では読影医を増やすたびに数十万円程度の費用が発生する。端末を置いているだけでメンテ料金が台数分発生する。新しい読影医を増やしても採算分岐点まで働いてくれなければ赤字がどんどん積み上がる。 非クラウド型で事業を展開していてうまくいっていたとしても、数年後にはシステム全体のバージョンアップが必要になるケースがあり、数千万円規模の莫大な費用が発生することがある。 さらに読影医が一斉にやめてしまうような事態が起きた場合、即座に新しい読影医を確保して端末を配ることは困難である。可能でも時間がかかる。期日以内に読影結果を返せない場合は契約不履行となる。訴えられなくても未施行の仕事が大量にたまり、雑用を含めた殺人的な仕事量があなたにかかってくる。 読影医が一斉にやめてしまうような事態でも、クラウド型であれば、あらかじめ大量に読影医を確保しておくことは容易であるし、即座に電話やメーリングリストなどで新しい読影医を探してIDやパスワードを発行するだけで即戦力を得ることが可能である。海外在住の邦人医師や旅行中の医師、家庭に入った女医でも即時参加が可能である。 どちらが失敗要因を含んでいるか誰でも理解できると思うのだが、他の観点(使いやすい、独自のマニアックな機能がある、企業と仲が良いなど)で非クラウド型のシステムを選んで苦労しているケースも多い。
■「顧客」での失敗要因 量的な失敗と質的な失敗がある。 量的とは不十分な依頼数が最たるものだが、逆に依頼数が多すぎるケースも問題である。読影の質が低下するからである。 質的な失敗とは不適切な顧客を抱えること。不適切な顧客とは些細なクレームの多い施設、信頼されていない施設、不都合な時間帯にまとめて依頼を出してくる施設などである。充分なコミュニケーション不足によることも多いが、問題が解決できない場合は切ることも考えよう。
■「あなた(読影医)」に潜む失敗要因 変なプライド、不要な見栄、モチベーション低下、能力不足、過度の専門化、マインド欠如、などは問題となる。謙虚に毎日の研鑽を積むことで徐々にしかし確実に克服しよう。
■失敗しない起業法 上記の失敗要因を戦術的に潰していけば簡単に成功方法ができあがる。 成功に一番重要な要素は、クラウド型システムを選ぶということである。実際に読影を行わないと課金が発生しないので、他に固定費が必要でなければ資金的に破綻するということがないからである。 つまり、いついつまでに顧客がつかないと倒産するなどという時間制約がいっさいなくなる。成功するまでに必要な時間が無限に使えるということである。あとは顧客さえつかめれば簡単に成功するわけである。
■最も簡単な3つのステップ 1、遠隔画像診断を行うと宣言する 2、顧客を探す 3、顧客が見つかればイーサイトにお願いして繋いでもらう まず、遠隔画像診断を行うと公言する。勤務医で勤務規定に引っかかるならば問題にならない立場に移る(非常勤、嘱託など)。仕事は辞める必要はない。退路は断たない。退路を断つと資金に制限がつき、顧客がつくまでの時間的余裕がなくなる。 顧客がつく時間に制限をつけてはならない。顧客がつくかどうかは100%自分でコントロールできないからである。 次に、なるべくお金のかからない方法で顧客を探す。確実に顧客が探せる場合はお金をかけてもよいが、なかなかそうはいかない。 最後に、顧客が見つかればイーサイトにシステム導入をお願いする。 これで運がよければ資本金は全くかからずに遠隔画像診断サービスが始められる。
(吾輩は草稿である。以降はまだない)
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表1
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