肺動脈内のガス
*
よく見ますよね? 肺動脈内のガス。
ガスと言っても空気でしょうが(時間が経つと窒素の割合が増えるわけで)。
たいていは造影剤静注後の像で、エア抜きが不良の時におきます。 ま、自然になくなる・・・というか見えなくなる。
*
で、なにが言いたいかというと、これを見て
「たいしたことがない」
と即断していいか、という話です。
*
実際問題、たいていは問題ないことがほとんどなのですが、
「ここにこれだけしか溜まっていないから注入されたのはごく少量」
と考える楽天的なことでいいか。
*
ここに見えるこの分しか注入されなかった というのは実は正しくないですね。
容量的にはここにはこれだけしか溜まれないわけです。
これより多くなれば末梢に流れていくので、いつもこれだけしか溜まっていないように見えるわけです。
もっと大量に注入されたのだが、大部分のガスは肺野レベルの肺動脈に流れてしまったのではないかと考えて、Window/Level を変えて肺野の肺動脈の内腔を見るようにすべきじゃないかなあ、といつも思うわけです。
ま、ほとんど吸収されているか画質のせいで見えないのか、末梢の肺動脈内にはほとんど見えないのが常なんですが。
こういう態度は悲観的すぎるでしょうか。
*
この前、同僚の医師にどう思っているか訊いてみようと思って話しかけましたが、肺動脈を大動脈と言い間違えたため、話がそれてしまって途中で訊くのをやめました。^^;
そのときは彼は Window/Level を変えていたので「たぶん考えているなあ」と思ったのもそれ以上訊くのをやめた一因ですが。
###
関連記事
-
-
イーサイトに似たクラウド型遠隔画像診断システム
* 世の中、物わかりの悪い人や文句ばかり言っている人がいないと、改善されません。 世界は
-
-
遠隔画像診断事業 売上を3倍伸ばした私の方法
* タイトルはちょっと煽ってみました。^^; 答えはここにも⇒ 日中救急症例を受けられる体制
-
-
エレファント・ウーマン
* アフリカゾウの群れは母系家族。 最年長のメスを頂点にその娘たち、孫娘たちで構成される。
-
-
「遠隔画像診断の起業」HPまたまた更新
「遠隔画像診断の起業」HP を更新しました。 今日も先ほどしましたが・・・ 今回はQ&a
-
-
大学院生による遠隔画像診断というか二次チェックしていない遠隔画像診断
* 先週金曜日の飲み会の帰りは大学の後輩の Kくんといっしょでした。 彼は大学院生ですが、い
-
-
ふざけた画像診断システム
職業がらいろんな遠隔画像診断装置を扱っていますが、ある装置では 患者リストから患者を選択
-
-
ばかげた遠隔画像診断システム
* イーサイトでも P●●社製でもない、とあるファイル転送型遠隔画像診断システム。 ここでも
-
-
変なリンパ節転移 直腸癌術後
直腸の右に変な腫瘤 3年ちょっと前に直腸癌(Rs)を手術し、その1年後に、吻合部より尾側の