*

肺動脈内のガス

公開日: : 最終更新日:2017/01/26 画像診断

ygimp01.jpg

よく見ますよね? 肺動脈内のガス

ガスと言っても空気でしょうが(時間が経つと窒素の割合が増えるわけで)。

たいていは造影剤静注後の像で、エア抜きが不良の時におきます。 ま、自然になくなる・・・というか見えなくなる。

で、なにが言いたいかというと、これを見て

「たいしたことがない」

と即断していいか、という話です。

実際問題、たいていは問題ないことがほとんどなのですが、

「ここにこれだけしか溜まっていないから注入されたのはごく少量」

と考える楽天的なことでいいか。

ここに見えるこの分しか注入されなかった というのは実は正しくないですね。

容量的にはここにはこれだけしか溜まれないわけです。

これより多くなれば末梢に流れていくので、いつもこれだけしか溜まっていないように見えるわけです。

もっと大量に注入されたのだが、大部分のガスは肺野レベルの肺動脈に流れてしまったのではないかと考えて、Window/Level を変えて肺野の肺動脈の内腔を見るようにすべきじゃないかなあ、といつも思うわけです。

ま、ほとんど吸収されているか画質のせいで見えないのか、末梢の肺動脈内にはほとんど見えないのが常なんですが。

こういう態度は悲観的すぎるでしょうか。

この前、同僚の医師にどう思っているか訊いてみようと思って話しかけましたが、肺動脈を大動脈と言い間違えたため、話がそれてしまって途中で訊くのをやめました。^^;

そのときは彼は Window/Level を変えていたので「たぶん考えているなあ」と思ったのもそれ以上訊くのをやめた一因ですが。

###

 

関連記事

no image

イーサイトのクラウド型遠隔画像診断システム 利点(1)

* イーサイトのクラウド型遠隔画像診断システムは Citrix Xen Server というサ

記事を読む

no image

遠隔画像診断ボランティア

2011.3.19(土)    日本放射線科専門医会・医会のHPで遠隔画像診断のボラン

記事を読む

画像診断管理加算2の悲劇

以前聞いた話ですが、とある都市の公立病院で常勤の放射線科医を1人雇っていました。 病院はこれを

記事を読む

遠隔画像診断のビジネスモデル(3)

ビジネスモデルらしくないので、さらに模式図を補完していきます。 * 上段が従来のファイル

記事を読む

PSP と PS sign

* 以前別ブログで書いたのですが・・・ > PSP(進行性核上性麻痺)の画像サイン: 遠

記事を読む

とあるファイル転送型遠隔画像診断システムの欠点

* だいたい仕事が終わったのに帰れません。 高槻遠隔画像診断センターにしかない遠隔画像診断シ

記事を読む

青池嚢胞 Aoike’s cyst 再び (2)

また青池嚢胞を見かけました。 18歳男性。 主訴とは関係ないです。 腓骨遠位の前面の皮質

記事を読む

no image

とんでもない画像診断システム

   前にもいろいろ書きましたが、今回はとんでもない画像診断システムの話。

記事を読む

棘状筋は棘上筋じゃない、棘状筋なんてない

肩関節の画像診断報告書を見ますと、ときどき棘状筋と書いてありますが、そんな筋肉ありましたっけ?

記事を読む

no image

資金の要らない、失敗しない遠隔画像診断起業のノウハウ(別刷り請求について)

*  *  * 月刊 Innervision 11月号に掲載の拙文の 「資金の要らない、失敗し

記事を読む

2025年株式投資 簡単すぎる総括

本日で今年の投資は終わりです。 楽天銀行の現在高は以上の

日本語の教養100 / 今野真二

★★★☆☆ 日本語についての教養本。うんちくエッセイが 10

胸部X線写真の話(2)

昨日の記事「胸部X線写真の話」の続きです。 内科医叩きをやってい

胸部X線写真の話

もう時効だと思うので書きますが、以前に書いたことがあったかも。 又聞

ある甲状腺疾患の話

医師になって放射線科の医局に入って、1年めは大学病院で研修しました。

→もっと見る

  • アクセスカウンター
PAGE TOP ↑