胸部レ線は難しい?(トレーニングすれば読めます) の答え
前回の記事( 胸部レ線は難しい?(トレーニングすれば読めます) )の胸部レントゲン写真ですが、読めましたか?
こうやってクイズ形式で出すと案外読めるものですが、この1枚が検診の300人分の中に入っていたら 引っ掛けられますか?
*
ヒントは
- 多くの内科医は縦隔を読んでらっしゃいませんし、骨構造は はなから無視。
- 肺野も横隔膜や縦隔構造に隠れた部分以外の部分しか読んでおられません。
この2つの文章です。
もう1回胸部レ線を読んでみましょう。
Th10 と Th11 の椎体の右椎弓根の間になにかありませんか?
(Y)oVo(Y)
ヒント文のように、縦隔を読んで、骨構造(当然 椎弓根は注目点!)に目を向ければ見えるはずです。
この症例のCT
下大静脈の背側に楕円体状の腫瘤が接していますね。
境界明瞭ながら縦隔浸潤の否定が困難です。
手術したところ、右下葉S10の 硬化性血管腫 でした。
もう一度胸部レ線に戻ると
もう見えたでしょう。
まだ どこがおかしいかわからない方は この拡大像をクリックしてください。
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こうやって、胸部レ線とCTとを行ったり来たりして比較していけば 胸部レ線が難なく 読めるようになります。
胸部レ線の教科書ばかり読んでいてもすぐ忘れます。なかなか上達しません。
CT と組み合わせることで記憶が強化されますし、自分で考えることで自分の知識となるのです。
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胸部レントゲンを読影していて「先生は胸部のCTも読めますか?」「えっ?」
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