魏志倭人伝の描写は信用できない
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最終更新日:2018/07/23
読書
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以前にご紹介した上の本では魏志倭人伝の描写は信用できないという話が面白かったです。
魏志倭人伝の描写というのは、邪馬台国やその他のクニの距離や日程以外の風俗を記した内容のことです。
この「日本史の誕生」の p32 に「明史」の記述が荒唐無稽という話が書いてあるのです。
ご存じのとおり明史は(元を滅ぼした朱元璋がたてた)明の歴史を書いた正史で、清の時代に書かれたものです。
明史になんと、「関白が織田信長で、その家来の阿奇支(アケチ)を滅ぼすために秀吉を遣わしたところ阿奇支を滅ぼすことができたが、その隙に信長は別の家来の明智に討たれた」という内容が書かれています。
明は倭寇に悩まされたので必死で本気になって日本を研究したようです。日本に関する研究書がかなりたくさん書かれ、清の時代にこれらを参考にして明史が書かれたのです。
そういう日本に対する興味津々の時代でさえこの程度の記事の信頼性ですから、朝日新聞よりすさまじい(いやドッコイドッコイか)。
しょせん伝聞情報を加工したものにすぎないのです。
なので、もっともっと時代の古い晋の時代に書かれた魏志倭人伝の描写が「生き生きしているから信用できる」と考えるのはナンセンスなのです。
本日も本屋で魏志倭人伝の新説らしき本が目に入りましたが、笑って無視することができました。
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